大阪と京都、それに東京でも市中感染が確認された、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」。それまでのデルタ株よりも感染力が強いとされ、今月になってニューヨーク州で1日あたりの新規感染者が連日2万人を超えて過去最多を記録したアメリカや、1日で9万人を超す新規感染者が出たイギリスでは、オミクロン株が猛威を振るっている。
日本でもオミクロン株の感染拡大が懸念されるが、中でも深刻な状況に陥っているのが沖縄だ。
沖縄では23日までにアメリカ海兵隊基地キャンプ・ハンセンの基地従業員6人とその家族が1人、基地外に住むアメリカ軍属とその夫、キャンプ・シュワブの基地従業員1人の計10人にオミクロン株の感染が確認された。
キャンプ・ハンセンでは同日までに232人のクラスターが発生しているとされ、それがオミクロン株によるものか不明だが、この状況から普通に考えればオミクロン株が拡散している可能性が高い。
その基地からは、マスクもせずにアメリカ兵が市中に出て、普通に買い物をして、酒をあおっている。日本のように感染対策が行き届いていない。
軍属の子どもたちは一般の子と同じ学校に通う
それどころか、「軍属の子どもたちは、一般の子どもといっしょに同じ学校に通っている」という実情をキャンプ・ハンセンのある金武(きん)町の元町長で、沖縄県の基地問題担当の政策参与も務めた吉田勝廣氏が教えてくれた。今も金武町に暮らし、沖縄の基地に精通した人物だ。
「さいわい、学校は24日で終わり、25日から休みに入るからよかったが、嘉手納基地もあることだから、これはもう全県の問題です」
すでに県の教育委員会が対策を検討しているという。
「200人を超すクラスターだって、アメリカ軍の管理ができてない、あいまいだからだ」
吉田氏はきっぱりと言う。本島の人間には理解しづらいかもしれないが、沖縄県で最大の嘉手納基地には普通の旅客機が離発着している。アメリカ兵やその家族を輸送するものだ。
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