ペットブリーダー「信頼できる人」「ダメな人」の差 2020年、ブリーダートラブルは過去最多を記録
コロナ禍で飼い主のライフスタイルが変化し、犬や猫を飼う人が増えています。その影響もあって、「ブリーダーからのペット購入をめぐるトラブル」が多発しています。
国民生活センターによれば、2017年度には215件であったブリーダーに関する相談件数が、2020年は全国で324件と過去最多を記録。「契約書を渡されていない」「購入後に先天性の病気が判明した」などのケースが目立ち、トラブルが起きた後も対応がままならないことが多いといいます。センター担当者は年々増加する相談件数を問題視し、「信頼できるブリーダーを探し、慎重に検討してから契約してほしい」と呼びかけています。
近年は、異業種から参入した「ブリーダー紹介サイト」「子犬・子猫仲介サイト」なども増えています。実はそれらのサイトはブリーダーが自ら登録すれば掲載できるものがほとんど。明確な掲載基準がないため、悪質なブリーダーに当たってしまう可能性もあるのです。
ペットを飼い始める人が、「信頼できるブリーダー」かそうでないかを見極めるのは至難の業です。何か規範がなければ難しいでしょう。筆者は仕事柄、多くのブリーダーの取材をしていますが、もちろん中には健全で、愛情をかけて犬や猫たちを育てるブリーダーもいます。具体的には以下の5つのポイントを兼ね備えたブリーダーが、契約をする上でも安全かつトラブルが少ないと認識しています。
信頼できるブリーダーとは?
1.専門ブリーダーとして豊富な知識を持つ
何よりも肝心なのは、「繁殖する犬種や猫種を愛してやまない」ということです。健全なブリーダーは、心から惚れ込んだ1種あるいは2種など少ない種を繁殖し、その質の向上を図るための努力を惜しみません。最新の情報や正しい情報を手に入れるため、世界的に認知された団体の展覧会やショーに参加したり、勉強会やセミナーで学んだりすることも欠かしません。
欧米の健全なブリーダーと同じように、長年受け継がれてきた血統やスタンダードを、後世につなぐための努力をし続けているわけです。専門性や豊富な知識の有無は、ブリーダーを見極める上でかなり重要なポイントとなります。
2.何よりもペットの健康を第一に考えている
健全なブリーダーは、徹底した健康管理を行います。親犬・親猫の定期的な健康診断やワクチン接種はもちろん、子犬や子猫に遺伝的疾患を継承させないよう、その種に必要とされるすべての遺伝子検査等をクリアした親犬・親猫で繁殖をします。
決して近親交配をせず、母体の健康のため出産間隔もしっかりと管理します。良質なフードや水、サプリメントなどを与えながら体調を整え、体や皮膚・被毛の状態なども毎日確認しています。飼育環境も衛生的で、嫌なニオイもありません。親犬や親猫は、多くの時間を広い空間でのびのびと過ごしています。
これらは「健全な子犬・子猫を産出する」というブリーダーの責任や、犬や猫の健康的な暮らしの大切さを強く認識しているからこそできることです。子犬・子猫を見学する際は、ぜひその飼育環境にも意識を向けてみてください。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら