今すぐ始めたい「疲れない心と体をつくる」新習慣 まず自律神経が乱れるシチュエーションを確認

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テレワークは融通が利く分、逆にリズムが乱れやすくなります。だからこそ、自分でルーティンを決め、リズムを作りましょう。毎日決まった時間に起きて、決まった時間に働き始め、決まった時間にランチを取り、決まった時間に休憩を入れ、終業する……、これが1つめの技となります。

リズムを作るうえで、とくに重要なのが「休憩」です。

私はイギリスやアイルランドで働きましたが、向こうの人たちは16時になると、どんなに忙しくてもティータイムに入りました。あの規則正しさは見習いたいところです。

ある程度、仕事の時間を調整できるのであれば、休憩は短く、頻繁に取ることをお勧めします。というのも、人が1つの作業に集中し続けられる時間は、長くても45分程度だからです。1つの作業を45分やったら、15分の休憩を入れる。その60分のワンセットを繰り返していくと、質の高い集中状態を維持しながら仕事ができるはずです。

そして、15分の休憩中に取り入れたいのが、「運動」です。これが2つめの技となります。

小林教授が実践するのは「スクワット10回」

休憩だからといって、座り続けているとうっ血します。血流を促すために、短時間でもいいので体を動かしましょう。

私が実践しているのはスクワットです。ひざを深く曲げてしゃがむ必要はありません。大腿筋に軽く負荷がかかる程度の“ゆるスクワット”で十分。1回の休憩中に10回やれば、血流は改善されるでしょう。

しかも、1日単位で計算すると、50回以上スクワットをすることになるので、筋力も増やす運動習慣にもなるのです。

スクワットなど、自分の体1つでできる筋トレを習慣化することは、長期的に見ても健康を増進します。特に人間は足腰が弱ると他にも悪影響で出て、一気に老け込んでいくからです。

足腰のなかでも「太もも」と「ふくらはぎ」は、とくに重要です。人間の筋肉の6割以上が下半身に集中しています。なかでも、太ももについている大腿筋はもっとも大きな筋肉です。

『小林教授の肩の力を抜くとすべてよくなる』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトへジャンプします)

生活習慣病の原因となる内臓脂肪を燃焼するには、基礎代謝量を上げることが必要で、それには筋肉をつけることが1番です。つまり、大きな筋肉である大腿筋を鍛えることは、代謝アップの近道になるのです。

ふくらはぎ(下腿三頭筋)は心臓と同じく血流を促すポンプの役割を担っています。この筋肉を刺激し、伸縮させると重力によって下半身で停滞しがちな血液を心臓に戻す流れを支えることができます。つまり、血流を改善する効果が得られるわけです。

運動量が減りがちな昨今だからこそ、リズムよく休憩を取り、体を動かしましょう。

小林 弘幸 順天堂大学医学部教授、日本スポーツ協会公認スポーツドクター

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こばやし ひろゆき / Hiroyuki Kobayashi

1960年、埼玉県生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。『医者が考案した「長生きみそ汁」』、『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム刊)などの著書のほか、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)や「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBSテレビ)などメディア出演も多数。

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