ドキュメント「朝日新聞のいちばん長い日」 写真と質疑応答で振り返る、謝罪会見の全容

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慰安婦の強制性はある

会見は2時間近くに及んだ

――8月の特集で慰安婦を強制連行した証拠文書は見つかっていないが強制性はあった、と表現を変えている。これは論旨替えでは?

杉浦 吉田証言は虚偽と判断した。だが、いわゆる慰安婦が女性の人権を侵害したもので、自らの意思に反して、という強制性はあったと判断している。

――朝日の慰安婦報道が国連クラマスワミ報告や国際的な日本批判に影響を与えているが、どう思うか。これから世界にどう働きかけていくのか。

杉浦 クラマスワミ報告も含めて、報道が国際関係に影響を与えることが当然と考える。朝日の報道がどう影響を与えたのかは、自身でどう判断するか難しい面もある。新しい対策委員会に具体的な検討をお願いしたい。

――8月28日の記事で、吉田証言が河野談話には含まれてないと(あえて)書いたのに、クラマスワニ報告には採用されたことに触れられていないのはなぜ?

杉浦 あの記事には必要ないと思った。

――2人の吉田の件で、どちらが進退の原因か。

木村 言うまでもなく、吉田調書のほう。慰安婦について、8月5日の検証記事で至らないところがあったことと、遅きに失したことはお詫びしたい。しかし、検証の内容については、今でもまったく自信を持っている。

慰安婦問題は今後も大事な問題、女性の人権や尊厳の問題として、これからも明確に主張を続けていくことは変わらない。私が申し上げたのは、今回の吉田調書報道について、深く反省して、判断したいということだ。

 

21時20分に会見終了。木村社長は三方に頭を下げて、退場した。

(撮影:尾形文繁)

山川 清弘 「会社四季報オンライン」編集部 編集委員

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やまかわ・きよひろ / Kiyohiro Yamakawa

1967年、東京都生まれ。91年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東洋経済新報社に入社後、記者として放送、ゼネコン、銀行、コンビニ、旅行など担当。98~99年、英オックスフォード大学に留学(ロイター・フェロー)。『会社四季報プロ500』編集長、『会社四季報』副編集長、『週刊東洋経済プラス』編集長などを経て現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。著書に『世界のメディア王 マードックの謎』(今井澂氏との共著、東洋経済新報社)、『ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ』(幻冬舎新書)など。

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