ドキュメント「朝日新聞のいちばん長い日」 写真と質疑応答で振り返る、謝罪会見の全容

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――雑誌メディアに抗議書を送り、それを記事にしたことも撤回するのか。

喜園尚史執行役員(広報担当) 今日の判断で抗議の前提が覆ったので、これまで出した抗議は撤回し、お詫びしたい。抗議書を出したメディア、ジャーナリストには誠実に対応したい。

――それ以外にも、従軍慰安婦問題への批判記事などについて朝日は雑誌メディアに抗議書を濫発しているのでは?

喜園 抗議した段階では、「十分取材した結果で事実だ」と考えていた。それに対して違うと否定されれば、抗議文を出す。濫発かどうかはコメントしないが、今回は間違いだった。

――吉田調書を丁寧に読めば、普通はこうした記事にはならない。意図的にねじまげられた報道ではないか。

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会見の様子は朝日新聞の自社サイトで中継された

杉浦 そうではないと判断している。が、そういう印象を与えたことは強く反省している。

――勝手に逃げ出したという印象を海外メディアは持っている。

杉浦 まさにお詫びしなければいけないこと。早急に英文で発信していきたい。

――読者から抗議・批判はどれくらいあったか。購読停止の数をどれくらい把握しているか。

喜園 通常より多い批判は受けているが、数はこの場では言えない。購読への影響も具体的な数は言えない。

コラム不掲載に社長は干渉せず?

――慰安婦問題で池上氏のコラムを不掲載にした。木村社長自身はどう考えている?

木村 池上さんの「新聞斜め読み」は長い間、朝日新聞の売り物のコラムで、私自身楽しく読んでいた。池上さんから今回原稿をいただいて、内容が朝日新聞にとって厳しいものであることは編集幹部から聞いていた。(コラムに対する)感想は話したが、対応は編集幹部の判断に委ねた。

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