今年こそ資金を増やしたい「つみたてNISA」投資術 次の一手で差をつける「プロのポートフォリオ」
以後、VTおよび、VTを日本の個人投資家にも手軽に買えるようにした「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」を中心に、ほかのインデックスファンドを組み合わせていますが、すでに、18年前以降に投資した金額の倍ほどのリターンを得ています。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドのような全世界型のインデックスファンドは、さまざまな国や地域に分散投資し、「簡単・安全・確実に投資をしたい」という方にはおすすめの商品であり、この商品だけでも十分なのですが、「日本企業が不調でアメリカの企業が好調だから、日本の株式を減らし、アメリカの株式を増やしたい」「新興国に期待して、新興国の株式を増やしたい」と思っても、配分を勝手に変えることはできません。
また、「売却したい」と思ったタイミングで、たとえば先進国の赤字分が新興国の黒字分を上回り、全体として利益が少なくなったり、赤字になったりしていても、「利益が出ている新興国の分だけを売却する」ということができません。
つまり、出口戦略がやや立てづらいのです。
部分的に売却したお金で人生を楽しむ
その点、国内株式/米国株式/先進国株式/新興国株式のインデックスファンドを組み合わせて持っていれば、日本の株価が急激に上がったときに売却し、現金に換える、といった小回りがきくようになります。
十分、投資に慣れたという人は、課税口座での投資も考えてみましょう。
例えば、日本の株価が一時的に暴落し、安くなったときに、課税口座で国内株式のインデックスファンドだけをスポットで買い増すなどです。
長期保有し、複利効果で資産を増やすというのも投資の面白さですが、大きな利益が出ているときに部分的に売却し、そのお金で人生を楽しむというのも、投資の醍醐味です。
全世界型に比べて、商品を選んだり配分を考えたりといった手間がかかりますが、得られるメリットも大きいといえるでしょう。
私の場合、全世界型で広く世界中に投資しつつ、そのときどきの経済情勢を鑑みて、自分でインデックスファンドの組み合わせを考え、バランスを調整し、より大きな利益を得たいという思いがありました。
そのため、全世界型よりも、個別のインデックスファンドの組み合わせの割合を大きくしているわけです。
逆に、リターンよりも安定を目指したいという方は、全世界型とインデックスファンドの組み合わせの割合を、7:3や6:4にする(全世界型の割合を大きくする)とよいでしょう。
どのようなバランスでインデックスファンドを組み合わせるのが「正しい」かは、その人の世界経済のとらえ方や投資に求めるもの、リスク許容度等によって、まったく異なります。
本書では、投資の始め方から、投資を始めたあとの次の一手までを解説しています。長期にわたる投資生活を後悔ないものにするためにも、ぜひお役立てください。
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