40代でFIREすると「退職金」どのくらい減るのか

キャリアの真ん中で退職しても「半分」ではない

昨今、マネーの世界では「FIRE」ブームが来ています(写真:MediaFOTO / PIXTA)  
マネーの世界でブームが来ている「FIRE(ファイア)」。これは、「Financial Independence, Retire Early」略で、経済的独立の獲得による早期リタイアを指します。
家計の見直しや副業・投資で資産形成し、早期リタイア後はその運用益で生活することを目指すのが一般的です。
普通の会社員でもできる 日本版FIRE超入門』では、日本の社会と制度に基づいて、普通の会社員でも実行可能なFIREのテクニックを紹介しています。
本稿では同書より一部を抜粋しお届けします。

FIREは「退職金・企業年金」にどう影響?

老後資産形成(いわゆる「老後に2000万円」)と、早期リタイアのためのFIRE資金をダブルで準備するのはなかなか大変です。しかし、老後資産形成の多くは退職金制度でまかなえる可能性があります。

中小企業の退職金水準はおおむね1000万円前後、大企業であれば2000万円の水準が期待されるからです。実は、8割の企業には退職金制度があるので、多くの会社員は老後に使うお金の準備が一定割合進んでいることになります。

ただし、これはひとつの会社で新卒から定年退職まで勤め上げた場合のモデルですから、FIREで早期リタイアをすればこの満額をもらうことはできません。また、FIREのために転職をした人も退職のつど小刻みに受け取ってしまうため、まとまった資金として最後にもらえるわけではありません。

それでも、自分で行う積立とは別にもうひとつの「積立枠」があると考えてみれば、この仕組みを知っておくことは重要です。

あなたに1000万円の積立枠があるとしたら、どの銀行に預けるか真剣に悩むはずです。しかしなぜか、多くの会社員は退職金制度については無関心です。ある調査では、59歳の段階で8割の会社員が受取額を知らないでいる(60歳定年として)という数字もあるほどです。

これも従来のFIRE本の指摘が弱かったところかもしれません。FIREしてからの生活費用分ではなく、「標準的なリタイア後のための資金準備」についてどれくらいメドが立っているのか、自分の勤める会社の制度、金額を確認する必要があります。

次ページまずは「基本的な仕組みと水準」を把握
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