科学者が懸念「人類滅亡を招きかねない」2つの事 AIはいつ「シンギュラリティ」を迎えるのか

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テクノロジーの発展はいずれ人類を滅ぼすのか(写真:metamorworks/PIXTA)
人工知能(AI)をめぐっては、人の仕事を奪うなど、人類への脅威が語られることが少なくない。はたして科学は人類を滅ぼす可能性があるのか。本稿では世界の科学者8人のインタビューをまとめた『人類が進化する未来 世界の科学者が考えていること』より、イギリスの宇宙物理学者で、天体物理学者のマーティン・リース氏が考える現代社会の脆弱性について紹介する。

AIの進化はいつ人間を超えるか

─―AI(人工知能)の能力は、いつごろ人間の能力を超え、仕事を奪いますか。

チェス、将棋、囲碁のゲームの世界ではすでに起きていますが、今後AIが人間から奪うものを考えると、大量のデータを管理する仕事や放射線技師の仕事でしょう。AIは一度に五万人以上のX線診断画像を検査することができる。

その一方で、家の破裂した水道管などを修復する配管工型のロボットはすぐにはできない。不規則な外界と複雑にかかわる配管工や庭師といった仕事にAIがとって代わるには、まだかなりの時間がかかるでしょう。

─―人間の手先の器用さが求められる仕事はそうだとしても、知的な専門職についてはどうでしょうか。

会計士、コーディング(文字、画像、音声などのデータをコードに置き換えて符号化すること)などはすぐにAIにとって代わられるでしょう。病気の診断もある程度はそうです。そのような、AIによって仕事を奪われた人に対し、別の仕事を与えるようにすることは重要でしょう。

倉庫やコールセンターなどで働く人も、もうすぐ仕事がなくなるでしょう。AIによってそれらの仕事を奪われる人が出てきても、求人の多い老人介護や教師を補助する仕事に就けるなら、ウィンウィンの関係になります。本来、ロボットではなく、人間がやるべき仕事に従事することによって人は満足します。日本には高齢者の世話を助けるロボットがありますが、それは生身の人間がやるのがいいと、みんな思っているのではないでしょうか。

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