──なぜ、このタイミングで本を出されたのでしょうか。
2019年に社長を辞めて、20年2月の臨時株主総会で取締役からも降りた。直後は退任前後のゴタゴタの体験が生々しく、俯瞰することが難しかったが、私の経験をまとめて伝えたほうがいいかな、という気持ちを持っていた。その後、若いベンチャーと仕事をするようになった。4年くらい経った頃から日産の経験をある程度の距離を持って振り返れるようになり、まとめてみようか、と思った。
──ゴーン氏とのやり取りが詳細に描かれています。日記をつけていたのですか。
先に進むほうが好きなタイプなので日記はつけていない。本書は記憶を基に印象に残っていることを書き出していった。そのうえで、フランスのマクロン大臣(当時)に会った時期など、客観的事実は編集者に確認してもらった。原稿にまとめて編集者に見せ、「こういうことはないですか。ああいうことはないですか」と言われて書き足したものもある。
非常に優れたリーダーだが知らない一面も
──西川さんにとってゴーン氏はどういう存在でしょう。
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