AIで作るニセ情報「ディープフェイク」氾濫の脅威 まんまと騙され社会混乱、ニセモノ見抜くには

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ディープフェイク
AIを使い本物と見紛うフェイクコンテンツを作成して悪用する「ディープフェイク」が巧妙化している(写真:metamorworks / PIXTA)

「アメリカ国防省の近くで爆発が起きたとするフェイク画像が拡散され、ダウ平均株価が一時下落」

「台風の豪雨により静岡県で水害が起きた際、町全体が水没したかのようなニセ画像が拡散され、県が冷静な対応を取るよう注意喚起を行った」

「フェイク音声で上司になりすました犯人から電話。ニセ者と気づかず、イギリスのエネルギー企業のCEOが現金を送金してしまった」

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こうしたAIによって作られたニセ画像・ニセ動画・ニセ音声などの「ディープフェイク」が巧妙化している。

ディープフェイクとは、機械学習の1つのディープラーニングとフェイクを組み合わせた造語。もともとは画像や動画を合成して新たなコンテンツを作成する技術だったが、現在ではAIを使い本物と見紛うフェイクコンテンツを作成して悪用するケースが増えている。

本物と見分けがつかないフェイクコンテンツが増加

以前からニセ画像・ニセ動画・ニセ音声そのものは存在したが、かつては人間が目視で確認したり、音声を聞いたりすれば不自然だと判断できるものが多かった。

「顔や音声、体、言語など人間由来の情報を手に入れやすくなっているのはもとより、その情報を使って学習するAIの性能が進化している。AIに人間由来の情報を安価に作ってもらうことも可能になり、2018年頃から目視では本物と見分けがつかないフェイクコンテンツが増えていった」と国立情報学研究所シンセティックメディア国際研究センター長の越前功氏は話す。

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