科学者が懸念する「果糖」の取りすぎが招くこと フルーツに含まれるフルクトースの懸念点
ジョナサン・シルバータウン氏の「進化」に対する見方は興味深い。食べ物から見た進化論であるが、料理だけではなく、その道具の1つである陶器の発明が進化の分岐点として重要であるというのだ。説明されてみると合点がいくが、われわれにとって当たり前のことが、進化に計り知れない影響を与えていると考えるだけでワクワクする。
遺伝子組み換え食品に対するわれわれの根拠なき恐怖心も氏の説明をきくと、その恐怖が瞬間に消えてしまう。健康に生きるアドバイスについては、デビット・シンクレア氏(「1日3食」食べる人に密かに迫る老化のリスク)とはいささか見解が異なる部分もあるが、食べ物から進化を見ると、いままでにない発見があることを改めて教えられる。
本稿ではシンクレア氏など世界の科学者8人のインタビューをまとめた『人類が進化する未来 世界の科学者が考えていること』より、シルバータウン氏が考える「果糖の危険性」について紹介する。
科学者は「食と健康」をどう考えているか
―─“You are what you eat.”(健康は食べる物で決まる)とよくいわれます。あなたが普段の食事から心がけていることは何ですか?
もちろん、食べ物は健康に影響を与えますが、この格言については、いささか懐疑的です。地球上の人間の食事嗜好は多種多様だということ、植物しか食べない人もいるし、肉しか食べない人もいます。
そのあいだには無限の組み合わせがあり、みんな生存しており、料理文化を発達させています。個人的には好きなものを食べます。私自身はあまり脂肪をとりませんが、肉は食べます。でもたくさんは食べません。
―─野菜が嫌いで食べない人もいますね。
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