科学者が懸念する「果糖」の取りすぎが招くこと フルーツに含まれるフルクトースの懸念点

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アメリカのジャーナリストで、食や農業に詳しいマイケル・ポーラン氏は、過度に加工されたものではなく植物を食べなさい、と指摘しています。私もこのテーマについて研究しましたが、そこから得られた結論は、ヘルシーな食べ物を楽しむ方法はたくさんあるが、料理は、あまり加工されていない、適度な量の植物を主体にするほうがよい、ということです。食物繊維が豊富な野菜は必要な栄養素をすべて与えてくれます。あと適度な運動が重要です。日常的に身体を動かして、食べる量を減らすのがヘルシーな生活だといえます。

1日3食食べる必要はあるのか?

―─日本では1日3食(朝、昼、晩)が健康に良いとされていますが、ハーバード大学医学部のデビッド・シンクレア教授は「3食も必要ない。2食で十分」と言っていました。あなたはどう思いますか?

この議論には2つの見方があります。1つは、日本人には肥満が少ないため、太ったかやせたかの影響が比較的少ないこと。アメリカやイギリスでは人口の3分の1が肥満です。だから食べる回数を減らしたとしても、もともとの量が多いため、必ずしも食事制限を意味しません。食事制限は、1日2000カロリーより少ない量を摂取し、事実上自分を飢えさせることです。動物ではそれが長生きのために効果がありますが、人間にはないと私は考えています。

「食べる量を減らせば長生きできるが、ではより長く生きる意味は何か?」というジョークがあります。ただ長生きするためなのか、心身ともに健康な状態を維持するためなのか、それらのバランスを考えなければなりません。シンクレア教授が健康寿命についてどう考えているのか知りたいですね。

─―あなたは、意識されにくい「フルクトース(果糖:果物に含まれる天然糖)の罠」を説いていますね。何が問題なのでしょうか。

フルクトースはグルコース(ブドウ糖)と同じ単糖の1つで、肝臓でしか分解されません。したがって、体内のフルクトースの消化はすべて肝臓で行なわれます。

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