童話が「いろんな角度で考える力」を育む理由 視点を変えると、もう1つの物語が見えてくる

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童話の登場人物を通してさまざま角度で考える力が育めます(写真:Sunrising/PIXTA)
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相手の立場で考えること、考え方は人によって違うこと。それを子どもに教えたいと考える親は多いでしょう。2020年度から実施された新学習指導要領でも、「多様性への理解」がとくに重視されるようになりました。
そのために、最適な教科書になるのが、実は誰もが知る名作童話です。『10歳からの 考える力が育つ20の物語 童話探偵ブルースの「ちょっとちがう」読み解き方』を執筆した放送作家の石原健次さんが、矢部太郎さんの挿絵とともに、その理由を解説します。

きっかけは加藤浩次さんの言葉だった

放送作家になって20年以上経ちますが、最近、番組づくりで意識しているのは、物事を一方向から見て「こうだ!」と決めつけないことです。

そのきかっけは、昔からお付き合いのある極楽とんぼの加藤浩次さんの言葉でした。

あるとき、ぼくは加藤さんに、「朝の情報番組でむずかしいことはなんですか?」と聞いたのです。

すると加藤さんは、なにかニュースを伝えるときに、いろんな人の立場になって話すことがむずかしいと答え、そして、すべてのケースに当てはまるわけではないけれど、「正義の反対は、相手の正義」なのだと言いました。

しびれました。まさに、今の時代に必要な考え方です。

この言葉をどうにかしてみんなに伝えたい、そう考えたとき、ぼくの頭に真っ先に浮かんだのが、童話を教科書にすることでした。

『3匹の子ブタ』『さるかに合戦』『鶴の恩返し』『泣いた赤鬼』……。

童話には、つねに正しい教訓がありますよね?

わかりやすい悪者が出てきて、最後には必ずやっつけられて、めでたしめでたし。

でも、本当に“めでたしめでたし”でいいのでしょうか?

人にはそれぞれ立場や考え方によってちがう正義があり、誰もが自分を正義だと信じています。

大切なのは、自分ではない誰かの立場で考えること。

その「物事をいろんな角度から考える力」が、想像力をのばし、違う考え方を理解できるようになり、思いやりの心を育みます。

それって、これからの世の中を生きるのに、いちばん大切な力なのでは? とぼくは思いました。

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