50代で求められる人になる・ならないの差は何か キャリアの明暗を分ける「5つの資質」とは?

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指示を持たず「こうしたいのですが、いいですか」と上司や周囲に提案と確認を行い、自ら行動する。問題の解決案を複数提案し、各々のメリット・デメリットや予想される結果を示す。社内外の一定以上の役職者や関連する業界の社内外ネットワークを築き、多彩な人脈の中からビジネスの可能性を探るリストラされない人材になるためには、こうした志向性を持つことが重要です。

③考え方
NG 目の前の仕事に注力し、中長期的に事業を見る視点が形成されていない
OK 中長期的視点で本当の課題を探る

NG 課題を明確に決められない
OK 仮説を立てて課題をセットする

NG 自身の立場での意見に終始する
OK 立場を変えて多角的に考える

NG 「トレードオフ」「ケースバイケース」で止まる
OK 優先順位をつける。ビジネスプロセスの体系化を行う

NG 「理解してもらえない」と考えている
OK 理解してもらえないのは自分のせいだと考える。ロジカルで説得力がある

NG 「自分では解決できない」「他者がやるべきである」と考えている
OK 自らが周囲を巻き込んでいく必要性を感じている

NG例はリーダーとしてふさわしくありません。OK例は経営陣になれるほど高度なものですが、リーダーを務めるなら、やはり持っておきたいスキルです。

例えば、多くの人は「トレードオフ」「ケースバイケース」の発想で終わってしまいます。「それをやるのなら、これはできません」といったトレードオフではなく、優先順位をつけて物事を提案する。ケースバイケースではなく、自分が培ってきたマネジメント力や専門性を体系化し、普遍的な仕組みに落とし込み、成功する道筋を示す。多角的に物事を見て、ビジネスプロセスを体系化し、自ら周囲を巻き込んで実行する。

リーダーに求められているのは、こうした考え方です。これらについて自分はどうなのか、振り返ってみてください。

「傾聴力・プレゼン力が我流」はダメ

④コンピテンシー
NG 戦略策定・変革の視点が弱い
OK ビジョン策定・戦略策定・変革を自ら行い、リードする

NG 目標設定・計画立案・進捗管理が甘い
OK 明確な目標設定・チームの計画立案・進捗管理により目標達成に信頼性がある

NG 傾聴力・プレゼンテーション力が我流である
OK 積極的傾聴、チームビルディング力、体系化したスキルとしてプレゼンテーション力を持ち、説得力がある

課長にはなれても、部長にはなれない。それが多くの50代の実情です。その違いは「ビジョン」や「戦略」の策定ができるか、「変革力」があるかどうかです。

「ビジョン」とは、中長期的な視野を持ち、数年後のあるべき姿を具体的に示すこと。「戦略」とは、ビジョンを実現するための戦術や道筋です。

部長になるには、一定以上の経験・知識、戦略フレームなどの知識による事業戦略、組織戦略、人事戦略、財務戦略のいずれかに長けている必要があります。高度な勉強が必要で、そう簡単にはできない領域です。

だからこそ、こうした高度な知識やスキルを身につけている人は希少価値が高く、年収1000万以上を望むことができます。

次ページ⑤知識・スキルのNG例・OK例
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