この河野さんの「挨拶マニュアル」でとくに共感するのは、「『日本経済』や『世界情勢』の話をするな!」のくだりです。
日本の社長のスピーチに必ず入っているこれは、本当に無駄。その人しか知らない卓越した知見ならまだしも、新聞を読めばわかる話を強制的に聞かせるのは「スピーチハラスメント」(スピハラ)もいいところです。
「抽象論がてんこ盛り」は時間の搾取です
日本のエラい人のあいさつに多いのが、「抽象語の羅列」です。最近のトレンドはこんな言葉でしょうか。
こういった「感情をまったく動かさないお題目言葉」と、
などの「かしこまった、ありきたりの言葉」が掛け合わさった内容はまるで、「お経」のように、脳内メモリにまったく残りません。
「感染対策に取り組んでください」「持続可能な社会を作るために」「イノベーションを起こさなければなりません」などなど、誰も興味のない話、誰でも知っている話。具体的な方策の示されない抽象論がてんこ盛りのあいさつはひたすらに、「聞き手の時間を搾取」していくのです。
しかも、話し方も平坦で、抑揚もなく、「えー」「あのー」などといった言葉を乱発するので、ただでさえ、冗長なあいさつがさらに長ったらしく感じられます。
「長い会議」と「長いあいさつやプレゼン」によって、日本の生産性はどれだけ阻害されているでしょうか。こんな「『我慢大会』のようなあいさつをなくしたい」と日々、指導を続ける私ですが、新型コロナ同様、なかなか撲滅とまではいきません。
そこで、あいさつやスピーチを面白くするために、私が政治家や社長のスピーチを添削する際に工夫している3つのコツを紹介します。
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