今年こそ「家ごはんを絶品に!」 ただ2つ簡単投資 「こんなに簡単だった!」その秘訣は?

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鍋も包丁も、いまは100円ショップで買える時代。しかし、「安いから」という理由だけで選んだ道具を、手入れしながら大切に使うことができるでしょうか。また、それだけの耐久性があるでしょうか。中途半端なものを選んで買い直すなら、最初からいいものを買ったほうが、お得で無駄がありません

調味料も同じです。たとえば、いつも200円で買っていた「みりん」を、400円で買うのを「高いなあ」と感じるかもしれませんが、でも考えてみてください。1回の料理に使うのは、ほんの少量。しかも、それだけで味がよくなり、料理が楽しくなるとなれば、決して高い「投資」ではないと思います。

おまけに、「良質な調味料」があれば、あれこれと手を加えず、シンプルな料理でも十分おいしいものです。

「家で簡単においしいごはんが作れる」とわかれば、市販のお惣菜を買ったり、外食したりする回数が減り、結果的に、むしろ大きな節約につながることも多いはずです。

2つの「投資」が生み出す「いい循環」

「良質な調味料」を使い、「選び抜いた調理器具」を持つと、キッチンに立つのが楽しくなります。

その結果、「料理の腕が上がる」「家族が喜ぶ」「健康的な食生活になる」「余計な添加物をとらなくて済む」「節約になる」「子どもの味覚の発達につながる」など、いいことずくめ。

「料理上手になる」ばかりでなく、生活全体に「いい循環」が生まれ、それは、私たちだけでなく、未来を担う子どもたちにまで、つながっていきます。「2つの投資」のリターンは、間違いなく大きいのです。

「調味料」と「調理器具」にこだわることで「結果として安上がり」になる、そのことを、もっと多くの人に、ぜひ知っていただきたいと思います。

実際、「伝統製法で造った調味料」と「昔ながらの道具」で手作りした「和食」が、もう何百年も日本人の食生活を支え、健康を守ってきたわけですから。

何事も「コスパ」「効率化」を求めがちな世の中ですが、昔から大切にされてきたものこそ「最もコスパが高く、じつは近道」であるともいえます。

ぜひ「2つの簡単投資」をすることで、結果として、「安く」「簡単」に、「おいしい家ごはん」が食べられる日が、今年は1日でも増えることを、「安部ごはん」の開発者として、強く願っています

安部 司 『食品の裏側』著者、一般社団法人 加工食品診断士協会 代表理事

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あべ つかさ / Tsukasa Abe

1951年、福岡県の農家に生まれる。山口大学文理学部化学科を卒業後、総合商社食品課に勤務する。退職後は、海外での食品の開発輸入や、無添加食品等の開発、伝統食品の復活に取り組んでいる。NPO熊本県有機農業研究会JAS判定員、経済産業省水質第一種公害防止管理者を務めつつ、食品製造関係工業所有権(特許)4件を取得。開発した商品は300品目以上。

2005年に上梓した『食品の裏側 みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社)は、食品添加物の現状や食生活の危機を訴え、70万部を突破するベストセラーに。その他の著書に『食品の裏側2 実態編 やっぱり大好き食品添加物』(東洋経済新報社)などがある。

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