あのディカプリオが出資する「培養肉企業」の正体 最先端の科学を駆使して作られる未来の食卓
今回ご紹介する「培養肉」も代替肉の一種とされるのですが、大豆などの植物由来から作られたプラントベースミートとはまったくの別物。動物の細胞組織の一部を組織培養することによって育てられるお肉のことで、最先端の科学を駆使して作られており、成分的にも本物のお肉と変わりありません。
2020年はプラントベース市場が急成長を遂げた一年でしたが、今年に入って初めて代替卵などを販売しているアメリカEat Just社が開発した培養肉GOODMeatの鶏肉がシンガポールの会員制レストラン「1880」での取り扱いが始まるなど、培養肉の注目度が上がっています。
9月末にはオランダの培養肉スタートアップMosa Meat社に環境活動家としても知られる俳優のレオナルド・ディカプリオ氏が出資を発表して話題になりました。動物を殺さず、環境負荷を減らしながらお肉が楽しめるのでお肉好きには朗報です!
そこで今回はMosa Meat社に話を聞いてみました。
グーグルの共同創業者の目に留まった
── Mosa Meatを創業したきっかけを教えてください。
COOのPeter Verstrateは、オランダ政府が助成金を出して培養肉の可能性を探っていた際に、オランダの培養肉研究の第一人者、Willem van Eelen氏から声をかけられました。
PeterはMosa Meatのもう一人の創業者であるMark Postに2006年にこのプロジェクトで出会い、フードシステムを変えたいという共通の情熱をもった2人は、プログラム終了後も培養肉の研究を続けました。
やがて彼らの活動は、Googleの共同創業者であるSergey Mikhailovich Brin氏の目に留まり、研究開発を加速させるために多額の資金提供を受けることに成功。
その支援を受け、2人は2013年に世界初の培養ハンバーグを発表し、2016年にはそのコンセプトを本格的に展開するためにMosa Meatを設立しました。
── 最近では、日本を含め、世界中で植物性の肉の選択肢が増えてきています。培養肉の可能性についてどう思いますか?
世界各地で、多くの人が自分の健康と地球のために食習慣を変え始めています。私たちは、Mosa Meatがこのトレンドを補完し、加速させるものであると考えています。
気候危機への対応を成功させるには、従来の食肉生産による悪影響を軽減するために迅速に行動しなければなりません。
私たちは、肉を愛する人たちに、本物の肉の魅力を諦めることなく、地球への影響を減らす方法を提供します。私たちはこれまでの牛肉に代わって動物に親切でクリーンな方法で作られた牛肉を提供しているのです。
今回、レオナルド・ディカプリ氏がアドバイザーとしてMosa Meatに参加してくれることに、私たちは資金面での投資と同じくらい興奮しています。レオは、環境保護活動家として高い評価を受けており、栽培牛が消費者に受け入れられるようにするという私たちの目標にとって、非常に重要なプラットフォームを持っています。
私たちの使命は一致しており、フードシステムの持続可能な未来を築くために共に働けることをうれしく思います。