「在宅組と出社組」ボーナスに差ついた会社の事情 人事評価制度の運用で失敗してしまったケース
次に「成長目標の設定」です。人材育成につなげるためには、評価結果が決まったから終わりではなく、その後の成長につなげるための目標を設定する必要があります。
この目標は、評価結果をもとに、本人のステップアップのためにどういったことに取り組むのかを評価項目の中から選び、具体的な成長レベルやそこへ到達するためのプロセスを設定します。これを上司がアドバイスしながら決めて、本人の成長目標とするのです。
さらに、毎月進捗状況を確認し、相談を受けたり、アドバイスをするための面談を行います。こうして「成長支援の継続」を行いながら、その期間の仕事ぶりを上司と部下本人が毎月共有したうえで、次の評価を実施するのです。
働き方がリモートでも評価はできる
このプロセスは、働く形態が在宅勤務であろうが、社外で仕事をしていようが関係なく実施することができます。リモートでも可能ですし、より本人とのコミュニケーションを深めるために、毎月の面談時のみ出社してもらい、直接行うなどの工夫もできるでしょう。
こうした運用がきちんと行われていれば、本人の取り組みや仕事の貢献度もはっきりとしていて、冒頭の事例のように上司が部下の仕事ぶりを把握できていなかったということは起こらないのです。
これまで20年以上、人事評価制度の専門家として支援先と関わってきましたが、まだまだ評価制度が人材育成の仕組みとして機能している企業は少ないと実感しています。
この人事評価制度の運用サイクルは、評価や賃金の納得度を高めるだけではなく、全社員の育成を推進することにつながります。中でも、多くの会社が課題に掲げるリーダーの人材育成能力の開発にも役立ちます。全リーダーが、目標設定や面談の場を通じて部下育成に関わることで学び続けるからです。
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