もはや「値上げ祭り」日本の激安生活が終わる日 節約の味方まで値上げ、どう対抗するべきか

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筆者は缶ビール代を自分の小遣いから出すので、350ml缶120円(ビール系飲料として計算)を30日払うとして、なんと3600円も食費を助けていることになるのだ。アルコール類を食費から出している家計は、今日からでも遅くはない。主に飲む人の小遣いから徴収することにトライしてはどうだろう。交渉するなら、外飲みが減っている今のうちだ。

年末年始にこそ使える食費節約法

年末年始はモノの値段が上がりやすい時期だが、割安に食品を入手できるチャンスもある。まず、ふるさと納税は年内までが節税となる期限なので、これで食材確保をする。ふるさと納税の返礼品ではプチ贅沢な牛肉や海産物が人気だが、あえてちくわやさつま揚げなど普段使いの食材を選ぶのもいい。筆者もそうしたことがあるが、練り物は高額商品ではないためか量が多めで、しかも冷凍できる。

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缶ビールの返礼品が長期休み前に届くタイミングで寄付したこともあるが、これも家計の助けになってくれた。必ず消費するとわかっている食品や嗜好品が大量に届くと、とても豊かな気持ちになれる。牛肉ばかりがふるさと納税のベストチョイスではない。

また、年始に獲得したいのが食品福袋だ。ここ数年は、密を防ぐため福袋の販売を自粛してきたデパートも多いが、今年は通常モードに戻ると期待したい。筆者は、紅茶やコーヒー、ジャム・はちみつ類の福袋を買い、数カ月分を確保するようにしている。レトルト食品やパスタソース、調味料類の福袋も見かける。それこそ「食費」ではなく「レジャー費」としてプチ贅沢なブランドをあれこれ買っておくのも悪くはないだろう。

よく、「食費は家計全体の◯◯%が目安か」と質問を受けるが、それは無意味な問いだと思う。食費は家計費の中では流動支出に当たるが、流動支出の中ですべての費目が収まってさえいればいい。食費を大事にしたい人なら、ほかの支出を削ればいいだけだ。それに、家族の健康を考えれば食費はむやみに切り詰めればいいとはいえない。やむをえず何かが増えるなら、ほかの何かを削る。それが家計管理というものだ。お金の使い方はオーダーメイドであり、絶対の正解はないのだ。

食品メーカーが続々値上げの表明をするのは、世間へのアピールもあるだろう。この先は「我慢せずいろんなものを上げていきますよ」との決意表明だ。待ち構えている値上げの嵐を前に、リベンジ消費に浮かれすぎないよう気をつけたい。

松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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