昼休みに仕事する人が自律神経を乱す「腸的」理由 ご飯後やる気が出ない時の「とっておきの対処」
――気をつけます。でも……。たまには、気分転換に外で食事をとりたいときもあるんですけど。午後の仕事のことを考えると、外で食事をとらないほうがいいということですか?
小林:いえ、たまには気分転換も必要ですからね。集中力が切れてやる気が起きないときの過ごし方を知っておくといいですよ。
――なんだろう……。知りたいです!
小林:昼食後の2時間は「捨ててもいい」と割りきって過ごすのです。
――えっ! 勤務時間中に「捨ててもいい」なんて、怒られそうです。
小林:サボるのではなく、効率的に働くために捨てるのです。昼食後は、食べ物の消化にエネルギーを使うため、脳にあまり血液が行き届かず、注意力が散漫になったり、眠くなってしまったりするもの。そんな時間に、無理やり仕事をしても、かえって効率が悪くなります。さらに、つねに気を張るのは、自律神経にとってもいいことではありません。
お昼のあとの2時間は単純作業にあてるといい
――そうなんですか?
小林:集中しているときは、交感神経が上がってアドレナリンが分泌されます。さらに、神経伝達物質のドーパミンが大量も分泌され、脳の中枢神経が強化されます。その結果、神経伝達物質アドレナリンが分泌されて集中力が向上します。でも、その状態が長時間続くと体と心は疲弊します。朝から夕方まで、ずっと100%集中するなんて疲れてしまうし、そもそも不可能です。自律神経の乱れも大きくなってしまいます。アドレナリンには血小板の働きを活発にして、血液をドロドロにさせてしまう作用も。イライラしたり怒りっぽくなったりするというデータもあります。
――なるほど……。安定したパフォーマンスを出すために「捨ててもいい」時間をつくる、と考えるんですね。
小林:そうです。「捨ててもいい」時間をしっかり意識することは大切です。捨てるといっても、何もしないわけではありません。お昼休みのあとの2時間は、単純作業にあてることがおすすめです。資料整理や身の回りの片づけなど、集中しなくてもいい作業を見つけて、「捨ててもいい」時間にすると決めておくといいですよ。1つずつやるべきことを書き出して、時間を決めて淡々とこなすと仕事が進みます。
――なるほど。ただ、働き始めてすぐだと、自分で時間をコントロールしたり、仕事の内容を選んだりすることが難しいです。
小林:それであれば、交感神経の助けを少し借りましょう。やる気を出すためには、自分では多少苦手だと思っていることをして交感神経を少しずつ上げていくといいですよ。たとえば、自分が抱えている案件について、上司に相談するのもおすすめです。相談する内容を考えたり、コミュニケーションをとったりすることで交感神経が高まり、集中力を上げることもできます。
――試してみます。でも、さすがに毎日相談には行けないので、他の方法も教えてもらえませんか?
小林:椅子に座ったままできるストレッチも効果的です。椅子に座ったままで、腕を上げて手首を頭の上で交差させ、そのまま息を吸いながら上体を上に伸ばします。その後、体を左右に倒していきます。呼吸を意識しながら左右に10回ほど繰り返すと、交感神経が活発になっていきますよ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら