昼休みに仕事する人が自律神経を乱す「腸的」理由 ご飯後やる気が出ない時の「とっておきの対処」
――お昼休みに食事をとることは、大切なんですね。
小林:ここで、忘れてはいけないポイントがあります。食事のとり方によっては、交感神経が一気に高まるということです。
――腸を刺激して副交感神経を高めようとしているのに、一気に交感神経が高まるなんて……。どうすればいいんですか?
小林:食事をとるときは、過剰に交感神経が上がらない食べ方が大切。それは、ゆっくり、よく噛んで、食べ過ぎないようにすることです。
――食事の基本ですね。なんだか子どもに戻った気分です。
小林:「しっかり噛む」習慣は自律神経を整えるだけでなく、唾液量が増え抗ウイルス・抗細菌成分が増えて免疫力が上がる、脳内のヒスタミン分泌が活発になり満腹中枢を刺激するため過食を防止する、表情筋がほぐれることで副交感神経が高まりストレスが軽減されるなど、さまざまな効果があります。
仕事に追われて焦るあまり、昼食は食事の基本が疎かになりがちです。お昼によく、ごはんをかき込むように食べている人がいますが、これだと消化をするために働く副交感神経は上がりにくくなります。ゆっくりよく噛んで食べることで唾液の分泌も増え、消化・吸収をサポートします。さらに、顔の筋肉もほぐれてリラックスでき、噛むという一定のリズムも副交感神経を高めてくれます。
――ゆっくり、よく噛むことでそんなに効果があるんですね。
小林:また食べ過ぎも要注意。消化・吸収に大量の血液が使われ、脳への血流量が減ってしまいます。腹6〜8分目までにしておきましょう。
――わかりました、気をつけます。
小林:ゆっくり食事をとるために、「ながら食べ」をやめることもおすすめです。仕事仲間と一緒に食べるランチは楽しいひとときですが、ときにはおしゃべりしたり、スマホを眺めたりせず、自分の目の前にある食べ物の色、形を眺め、1口ずつ口にして、食べ物の形や食感、味わいの変化を楽しむ。噛み終わったらゆっくりのみ込み、2口目へ。ちょっとした瞑想が充実のランチタイムにしてくれますよ。
ランチ後2時間の仕事は「捨ててもいい」
――ランチタイムは充実したものの、その後、頭がボーッとして仕事に集中できないことがあって悩んでいます。
小林:もしかしたら、お昼ごはんを食べ過ぎているのかもしれませんね。麺やお米などの炭水化物がメインの食事は、交感神経を急激に高める作用があります。食後はその反動で、副交感神経が一気に高まるため、体は急ブレーキ状態になり、疲れを感じたり、眠くなったりします。
――そういえば、会社の近くにあるイタリアンのお店に行った日は、とくにボーっとしてしまう気がします。
小林:自律神経を整えるためにも、たまには、美味しいものを楽しむことは大切です。ただ、外食は、自分で食事の量をコントロールできない分、食べ過ぎるリスクがあります。食べ過ぎると、集中力を欠いてしまう恐れがあることも意識しておくといいですよ。炭水化物は体に欠かせない栄養素ですが、しっかりとるのは1日1回に抑えることがおすすめです。
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