実は警戒心が強い「サメ」が人を襲う意外な理由 海の危険生物に遭遇した場合の対処法を解説

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海外でもサメによる事故例はあります。時代はややさかのぼり、1916年7月、アメリカ合衆国東部のニュージャージー州で、サメによる襲撃事件が3回続けて起き、1人が重傷を負い、4人が死亡しました。

3回目の事件の2日後に捕らえられた体長2.5mのホホジロザメの胃から、人間のものらしい骨が出てきたことから、このサメが犯人だとされ、「ジャージーマンイーター」(「ニュージャージー州の人食いザメの意味」)と名付けられました。

以後、事故は収まりましたが、3回目の事件が川で起きていることから、淡水でも行動できるオオメジロザメも事件に関連したといわれています。

そのほかに、サメによる事故で多いのは、サーフィンをしている人が襲われるケースです。海面でサーフボードを漕ぐ姿が、海中から見ているサメにはウミガメなどに見えるため、襲われやすいと考えられています。

あたたかい海に多くの種がすんでいる

サメは世界中の海にいますが、あたたかい海に多くの種がすんでいます。肉食の種が多く、鋭い歯をもっていて、水の抵抗が少ない身体つきをしており、水中をすばやく進むことができます。

【ホホジロザメ】サメの中で最も大きな種です。アザラシやウミガメなどさまざまな生き物を食べます。人間が襲われることも多く、世界各地で毎年のように犠牲者が出ています。傷つけた獲物から、いったん離れ、弱るのを待ってから仕留める賢さもあります。最大で全長6.4mにもなる巨体ですが、瞬間的にとてもすばやく海中を泳ぐことができます。海面近くの獲物を襲うときは、突進して、海中からとび出します。
(出所:『角川の集める図鑑GET! 危険生物』)
【イタチザメ】身体にトラのような縞模様があるので、英語の名前は「タイガーシャーク」といいます。大型のサメで海の生き物はなんでも襲いますが、とくにウミガメを好みます。人間を襲った事故の件数も死亡数も、ホホジロザメの次に多い危険なサメです。ほかのサメとは異なる特殊な歯をもっていて、鉤爪のような形をしており、歯の先が口の奥を向いています。
(出所:『角川の集める図鑑GET! 危険生物』)
【オオメジロザメ】海水だけではなく、淡水でも生きられるサメで、川をさかのぼることがあります。普通の海水魚は淡水に入ると、体内の血液成分のバランスが崩れて死んでしまいますが、オオメジロザメは腎臓の働きにより、そのバランスを調整して、淡水にも適応できることが最近の研究でわかってきました。性質が荒いことに加え、海や川の浅い所にいるため、人間が襲われた件数も、ホホジロザメ、イタチザメについで多いサメです。
(出所:『角川の集める図鑑GET! 危険生物』)
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