実は警戒心が強い「サメ」が人を襲う意外な理由 海の危険生物に遭遇した場合の対処法を解説

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続いては、シガテラ毒、パリトキシンを持つ魚を紹介します

シガテラ毒は、正式にはシガトキシンという毒で、渦鞭毛藻という藻類がつくる毒素がもとになっています。渦鞭毛藻のついた海藻をウニや小魚が食べ、それらを大きな魚が食べることで体内に毒がたまります。あたたかい地域にすむ肉食の魚がシガテラ毒をもつことが多いです。

人間が食べたときの症状はさまざまで、吐き気や腹痛、下痢などのほかに、口や手足がしびれることもあります。

シガテラ毒をもつバラフエダイとロウニンアジの特徴は次のとおりです。

【バラフエダイ】フエダイのなかまでは大型になる種です。内臓や筋肉にシガテラ毒をためていることがあります。
【ロウニンアジ】アジのなかでは最も大型の種です。シガテラ毒をもつ小魚を大量に食べて、内臓や筋肉に毒をためこんでいることがあります。
(出所:『角川の集める図鑑GET! 危険生物』)

パリトキシンは、イワスナギンチャクがつくる毒で、これを食べた魚の体内に毒がたまります。

筋肉の細胞をこわす作用があるため、人間が食べると、しばらくたってからはげしい筋肉痛に襲われ、その後、呼吸困難や不整脈、腎障害などを起こして死んでしまうことがあります。毒の強さはフグ毒の数十倍もあり、自然界の毒の中では、最も強い部類に入ります。

パリトキシンをもつ魚は、アオブダイやソウシハギがいます。

【アオブダイ】サンゴ礁でよく見られる魚で、釣りでかかることがあります。内臓や筋肉にパリトキシンをため込んでいることがあります。
ソウシハギ】長くて平たい身体をもつハギのなかまで、釣りでかかることがあります。イワスナギンチャクを食べるので、内臓にパリトキシンをため込んでいます。
(出所:『角川の集める図鑑GET! 危険生物』)

毒はなくても食べると危険な魚も

毒ではないけれど、食べると危険な魚もいます。

【バラムツ】深海でくらす魚で、筋肉にワックス(人体で消化されない脂)を含むため、少し食べただけでも下痢になります。そのため、現在は食用での販売が禁止されています。
【オオクチイシナギ】全長2mにもなる大型の魚で、身はおいしく食用になりますが、肝臓に大量のビタミンAを含みます。食べすぎると急性の中毒症状を起こすため、肝臓は販売が禁止されています。
(出所:『角川の集める図鑑GET! 危険生物』)

また魚による食中毒には、寄生虫が原因となるものもあります。とくにアニサキスという寄生虫によるアニサキス症は、よく知られており、はげしい腹痛などの症状が出ます。アニサキスはアレルギーを起こすこともあり、アナフィラキシーショックに陥ることもあります。

『角川の集める図鑑GET!』編集部
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