なぜNo.1ビジネス書書店が絵本グッズを売るのか 有事を経た今こそ、新たな収益多様化をめざせ
実際、篠田氏も自らが先頭に立ち、EHONS事業推進チームを立ち上げ、絵本販売に携わってきた人、商品企画を行う人など、キャラクターグッズ販売を行うために、社内から7人を集めてチームを編成します。
成功体験からの学び
実は、そこまでしてでもやる価値を篠田さんは見出していました。もともと同社は、東京オリンピックのオフィシャルグッズの販売代理店になっていました。開催が1年延期になった後、7月から8月にかけてグッズ販売の機会を得たのです。
「販売価格が1点1500円の商品なのに、1日に1000万円以上売れるなど、こちらの予想をはるかに超える売り上げになりました。1日に1200種類ある商品のうち1100種類が動いたこともありました。一番販売した月は、日坪25万を記録し、通常の運営ではありえない数字が出ました。桁が違うのです」
宣伝は十分とは言えませんでしたが、それでもSNSを見たのか、無観客開催のために、グッズ販売店が限られており、どこからともなく聞きつけて、たくさんのお客様が来店してくれました。
その後、Mリーグ(マージャンプロリーグ戦)の開幕フェアでもオリジナルグッズを販売する機会がありましたが、こちらも著者イベントを行ったところ、その日だけで200万円を叩き出すなど、麻雀関連の書籍販売だけではありえない売り上げになりました」
そこでしかないグッズを集めていることの価値は、ネット販売だけではない、リアル店舗としての強みを改めて感じさせてくれました。その経験をもとに、10月20日に丸善丸の内本店の2階に「EHONS TOKYO(エホンズトーキョー)」をオープンしました。
「オープンからまだ時間が経過していませんが、書籍販売だけなら1坪1万円でもかなり売れたほうになりますが、EHONSではそれ以上の結果が出ています。やがて、『絵本のキャラクターグッズならEHONS TOKYOだよね』と知られるようになれば、大きな収益の柱になるのではないかと期待しています」
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