なぜNo.1ビジネス書書店が絵本グッズを売るのか 有事を経た今こそ、新たな収益多様化をめざせ

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まず出版社に向けて内覧会を行ったところ、70社のうちで契約したのは数社でしたが、興味を持ったのは40社にものぼりました。

「動き始めて改めてわかったのですが、出版社はコンテンツはあるけれどモノがつくれない。メーカーはモノづくりはできるけれど売る場所がない。書店は、コンテンツもないしグッズもつくれない。

けれど、最後の出口となる『売る場所』がある。場所があるというのはとてつもない強みになる。やはり、私たちがグッズの企画販売から行い、発信基地のような形で書店を活用したら面白いのではないかと思いました」

明治時代から原稿用紙や万年筆、洋服など、オリジナルで製造した経験のある丸善には、ものづくりのノウハウそのものはありました。

プロダクト販売とは異なるビジネスモデル

しかし、これは、言うは易しです。

同社は、本という商品を仕入れて売り切るプロダクト販売(つまり、もの売り)を行っており、そのビジネスは、売れなかったとしても出版社に返品できるシステムです。

しかし、キャラクタービジネスは、キャラクター商品の企画開発から製造販売に至るまで、マーチャンダイジングを行うことを意味しています。ゼロからつくるため、「丸善に行かなければ手に入らない」という希少性を高めてファンをつくる可能性が高まる反面、売れなければ余剰在庫は自分たちが抱えることになります。

プロダクト販売とはマネタイズのあり方が異なり、まったく新しい収益源に着手するようなものです。当然、これまでのプロダクト販売の事業活動の範疇を超えるため、社内ベンチャー的な位置づけで新規事業部を立ち上げなければなりません。

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