SNSで「他人を中傷する人」裁かれるまでのリアル 侮辱罪「知らなかった」では済まされない

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
●ネット上の書き込みは“公の場所”での発言

訴えられる前に投稿を消したからといっても罪が消えるわけではない。

削除すると同時に明らかに犯罪が成立する場合は速やかに警察に出頭すること。それを含む対応を弁護士に相談することも検討したほうがよいでしょう

前出の三上さんも述べる。

「インターネット上の書き込みは公の場所での発言だと思ってください」

ネット上でも、リアルと同じ接し方で生きていれば問題は起こらないはずだ。

ネットに書き込んだ誹謗中傷で刑事事件になった事例(抜粋)

【その1】
・投稿者 原田隆司元豊田市議
・被害者 一般女性

〜概要〜
 愛知・豊田市の原田元市議は2019年8月に茨城県常磐自動車道で起きたあおり運転事件で、容疑者の車に乗っていた女性と異なる女性に対し「ガラケー女」などと自身のSNSに書き込んだ。書き込まれた女性は元市議を訴え、東京地裁は名誉毀損を認め、元市議に33万円の賠償を命じた。

【その2】
・投稿者 30代女性ら2人
・被害者 川崎希さん

〜概要〜
 元AKBメンバーでタレントの川崎希さんに対し、匿名掲示板で誹謗中傷。ほかにも自宅住所をさらすなどの書き込みを行ったとして、2020年3月、山形県の主婦(39)と大阪府の事務員女性(45)を侮辱罪の疑いで書類送検した。

【その3】
・投稿者 20代男性ほか
・被害者 木村花さん

〜概要〜
 自殺したプロレスラーの木村花さんに対し、生前、暴力的なコメントを複数回木村さんのSNSアカウントに書き込んだ。侮辱罪で略式起訴され、東京簡易裁判所は2021年3月、科料9000円の略式命令を出した。ほかにも福井県の30代男性も今年4月、書類送検されている。

今年9月には木村さんの母親・響子さんに対しても誹謗中傷を繰り返した東京都の40代男性が書類送検された。

【その4】
・投稿者 20代男性
・被害者 中川翔子さん

〜概要〜
 匿名掲示板で「自殺しろ」「硫酸をかけてやる」など殺害予告とも受け取れるような書き込みも行った。今年10月、侮辱と脅迫の疑いで書類送検された。

ネットの誹謗中傷投稿で刑事事件に発展したケースの一部。タレントなど著名人に限らず、事件の加害者と誤認された一般人やその関係先も被害に遭うことも

お話を聞いたのは……弁護士高橋麻理さん
Authense法律事務所所属。元検察官。退官後、弁護士に。刑事事件、企業法務案件、離婚等家事事件等を担当

お話を聞いたのは……ITジャーナリスト三上洋さん
セキュリティーやネット事件、スマートフォンなどネット事情全般に詳しい。文教大学情報学部非常勤講師
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事