監督兼GM「ゴルフ」トップ選手の知られざる世界 ゴルフはもはや「チームスポーツ」と言える理由

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ゴルフは個人競技ですが、コミュニティやチームをとても大事にします(写真:ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA)
PGAツアーは、一流選手がしのぎを削る弱肉強食の世界。優勝すれば億単位の賞金を手にすることができる一方で、予選落ちをすれば宿泊費やキャディーフィーなどの経費を自己負担しなければいけない厳しい世界。仕事をしても経費が出ないどころか、赤字になることもある「最も過酷なフリーランス」とも言われるそうです。
そのような激しい競争社会で生きる選手やコーチたちの取り組みを間近で目にした、ゴルフスイングコンサルタントの吉田洋一郎氏。その吉田氏がPGAツアー選手たちの考え方や取り組みをまとめた『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』より一部抜粋し再構成のうえ、“チームスポーツとしてのゴルフ”の可能性について見ていきます。

ゴルファーは一匹狼?

ゴルフは個人競技のため、プロゴルファーというとどこか一匹狼的に見られているところがありますが、実はコミュニティやチームをとても大事にしています。とりわけPGAツアーの一流クラスの選手たちはその傾向が顕著です。

ゴルフに限らずプロスポーツは年々、レベルが上がってきています。昔なら1人で黙々と球を打てば十分でしたが、科学的な理論やツールを使いはじめたことで技術向上のスピードが急速化しています。スポーツを取り巻く環境が激変しているため、技術を細分化して高めなければ、そのスピードに追いついていけません。

これは医療の現場と同じことです。かつては内科なら内科医が病状を診て、その医師が治療を施すのが当たり前でした。いまは医療の進歩により、チーム医療が一般化しています。難しい病気であればあるほど、多種多様な医療専門職が1人の患者にかかわり、適切な医療を実現しています。

ゴルフも同様に、技術分野1つに対し1人の専門家に委ねることで、より高度な技術向上が図られるわけです。裏を返せば、1人のコーチですべてに対応することが不可能なくらい、1つ1つの技術分野が高度になっていることの表れです。

心臓手術が必要な重篤な患者ならエキスパートの専門チームが組織され、術後は経過観察を専門とするスタッフがかかわり、その後完治に至るプロセスでは徐々にスタッフが少なくなっていく。そんなイメージがPGAツアーのチームです。

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