家庭でも簡単にできる「子どもの興味広げる」方法 グーグルやディズニーが採用する考え方

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子どもの興味を無理なく広げるにはどうしたらいいでしょうか(写真:PIXTA)
子どもの興味を広げたいけれど、無理強いはしたくないーー。親ならこう思うこともあるのでしょうか。 アメリカで働いていたときにイタリア発の「レッジョ・エミリア・アプローチ」を採用するプレスクールに子どもを預けた経験から、そこで見た保育のやり方を日本にも伝えたいと考え、日本へ帰国後に保育園の経営に踏み切った森田昭仁氏は、「レッジョ・エミリア・アプローチなら子どもの興味を無理なく広げ、自主性を育める」と言います。本記事は、森田氏が上梓した『「自分で考える力」を無理なく育む 子どもと大人の「共育」論』より、家庭でもできる子どもの興味を広げる方法を紹介します。

子どもの自発的行動を促す「しかけ」

アメリカのグーグルやディズニーの社内保育所でも採用された、イタリア発の幼児教育手法である「レッジョ・エミリア・アプローチ」においては、大人は子どもに好きな活動をさせ、その取り組みを見守るという姿勢が基本です。それは「放置」とはまったくちがいます。子どもに自発的に興味を持ってもらえるように働きかけることを、「インビテーション(「招待」「誘発」)」といいます。

絵を描くことに興味を持ってほしいなら、子どもが登園したときに、机の上にクレヨンと紙を並べておく。すると、子どもは目にしたクレヨンに自然と関心が向き、クレヨンを取って絵を描きはじめるでしょう。

もちろん、クレヨンと紙を置いておいたからといって、すべての子が絵を描きはじめるわけではありません。ほかの遊びを始める子もいるかもしれないし、もしかすると並べてあるクレヨンを投げて遊ぶ子もいるかもしれません。

しかし、それでもよいのです。保育士は、「机にクレヨンを並べて置いておいたら、この子はこういう反応をした」ということを記録に残します。レッジョ・エミリア・アプローチにおいては、この記録を「ドキュメンテーション」と呼びます。

インビテーションにおいては、その子についてのドキュメンテーションを保育士どうしで共有し、「その子がクレヨンを投げたのなら、あしたはボールを置いてみようか」と、次のインビテーションに活かすべく議論して、新たなインビテーションの環境を考案します。子どものすべての行動が、「こうしたらこうなった、次はどうするか」といった試行錯誤の判断材料になります。

次ページインビテーションの記録が蓄積すると…
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