家庭でも簡単にできる「子どもの興味広げる」方法 グーグルやディズニーが採用する考え方
インビテーションのポイントは、子どもの好奇心をうまくリードすることです。子どもが好奇心を持ってなにかを行う場面をよく観察し、子どもの思考の道筋を分析する。それをもとに、「それでは、次は環境をどのように整えれば、子どもの興味が広がりそうか?」と考えて実現するのです。
この意識があれば、普段の子どもへの接しかたも自然と変わります。たとえば、親は書店に並んださまざまな絵本を見て、「うちの子はこの絵本好きかな?」と考えて、買う絵本を選びます。その考えを深掘りして、「この絵本に興味を持ってもらうには、どうすればよいだろう?」ともう一歩踏み込んで考えることができます。
すると、「この絵本は電車の絵本だから、ほんものの電車を見せに行ってから与えてみよう」「この絵本の主人公はアリだから、まずはアリを捕まえにいってみよう」といった手があるかもしれません。子どもの言葉が発達し、ある程度コミュニケーションできるようになると、子どもの思考回路を読むことは簡単になるので、より取り組みやすくなるでしょう。
「やめてほしいこと」を自主的にやめさせるには
インビテーションのスキルは、子どもにやってほしくないことを自主的にやめさせるという目的にも応用できます。たとえば、「子どもが、公共の場で騒がしくして困る」という悩みをよく聞きます。ある程度年齢が上の子であれば、「静かにしなければならない理由」を繰り返し話せばいずれ理解してくれるかもしれませんが、「静かにして」というのは、小さな子にはなかなか理解しがたいものです。
これにインビテーションの発想を適用すると、「子どもが自発的に静かにしたくなる仕組み」をつくればいいことになります。たとえば私の家庭では、「静かにしていたら勝ち」というゲームを行っています。「だれが一番長く話さずにいられるか勝負しよう。ヨーイ、ドン!」と言うと、それまでうるさくしていた子どもでも、とたんにシーンとなります。
もちろん、このゲームを行ったところで、そんなに長い時間を静かにしてくれるわけではありません。だれかがまた騒ぎ出したら、すかさず「はい、負け!もう1回やろう!」と言ってなんども繰り返します。このほうが、「静かにして」と高圧的に指示するよりも、子どもが自発的に「静かにしよう」という明確な意志をもって実行できます。
子どもの行動に対して「やめなさい!」と言うのは、子どもに関わる大人であれば日常茶飯事です。子どもに強制したところで言うことを聞かないというのがつねであり、そうであれば、大人が望む方向に自主的に行動してもらうためには、どのようなアプローチが効くのかを考えれば、思わぬ道が拓けるかもしれません。
そしてそれは、インビテーションの考えかたそのものです。子どもへのインビテーションが上達すれば、子どもを叱る頻度が減り、「また怒ってしまった」というような自己嫌悪に陥る機会も少なくなるように思うのです。
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