異例すぎる「NASA出身コーチ」が結果を残せたワケ ゴルフをロジカルで科学的なスポーツに変えた
PGAツアーは、一流選手がしのぎを削る弱肉強食の世界。優勝すれば億単位の賞金を手にすることができる一方で、予選落ちをすれば宿泊費やキャディーフィーなどの経費を自己負担しなければいけない厳しい世界だそう。仕事をしても経費が出ないどころか、赤字になることもある「最も過酷なフリーランス」とも言われるゴルフツアー選手は、つねに自らをアップデートしなければ生き残れないといいます。
この環境で生き残るために、選手は優秀なコーチを雇い、結果を出し、ツアー選手を支えるコーチたちも現状に満足することなく、つねに勉強をし続けてスキルアップに努めています。
そのような激しい競争社会で自らを成長させ続ける選手やコーチたちの取り組みを間近で目にした、ゴルフスイングコンサルタントの吉田洋一郎氏。吉田氏がPGAツアー選手たちの考え方や取り組みをまとめた『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』より一部抜粋し再構成のうえ、メジャートーナメント6勝のフィル・ミケルソンを取り上げ、彼やそのコーチの取り組みから自分自身を変えるヒントを探ります。
ゴルフを科学的に分析
プロゴルファーとしては日の目を見ることはありませんでしたが、ユニークな経歴からコーチとして成功したのがデイブ・ペルツです。彼はインディアナ大学のゴルフ奨学生で、物理学の専攻でした。
同年代のジャック・ニクラウスと学生時代に22回対戦したことがありますが、残念ながら1度も勝てませんでした。大学卒業後にプロゴルファーの道には進まず、NASAで働きはじめました。
当時の指導者のセオリーからすれば、経歴がある人やプロゴルファーが指導者になるというのが一般的でしたが、プロゴルファーの経験がない人がゴルフティーチング界に入り込んで来ました。
ペルツは物理学の素養を活かしてゴルフに関するさまざまなデータを取り、科学的に分析することで、ゴルフをロジカルで科学的なスポーツに変えてしまいました。だからこそ、フィル・ミケルソンはペルツを頼ったのでしょう。
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