すぐ怒鳴る人を実はまるで恐れなくてもいい理由 行為から他者の本質を見極めることの大切さ
対話を拒む人を理解する
対話が成立するためには対等であることが前提である。しかし、親子関係、教師と学生(生徒)、さらに上司と部下の関係は対等とは考えない人は多い。対等とは考えない人は力で抑圧しようとする。そのために怒りをぶつけてくるので、反論したくてもできない、心ならずも従ってしまうということはある。
対人関係の上に立とうとする人は劣等感を持っている。誰かが自分の上になることはもとより、自分と並ぶことも我慢ができず、いつ何時その地位から蹴落とされるかもしれないと戦々恐々としているのである。そのような人は、自分の地位を脅かされないために力を行使しなければならないと考え、大きな声を出して叱りつけるのである。
本当に優れた人であれば、自分が優れていることを誇示したりしない、怒りを爆発させたりはしない。そうするのは、自分が無能であることを見透かされたくないからである。仕事を例にしていえば、本来の仕事の場ではなく、つまり、第一の戦場ではなく、第二の戦場へと部下を呼びつけて、仕事とは関係のないことで部下の価値を貶めることで、自分の価値を相対的に高めようとするのである。
このことがわかっていれば、怒りを爆発させる親や教師、上司を恐れる必要はない。もしも親や教師、上司が怒りを爆発させても、感情には注目せず、何を語っているかだけに注目し、もしも間違ったことをいっているのであればそれを正せばいいだけである。