「いま何歳?」より「あと何年?」で決まる幸福人生 「ライフシフト2」で考える「個人と企業の両得」

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だから私たちが技術的発明の恩恵を実感するためには、社会の仕組みだけでなく、個人の価値観や行動様式も変わっていかなくてはならない。そういったことを、本書ではとても丁寧に描いています。

誰もが社会的開拓者であってほしい

また本書では、社会的発明は、私たち1人ひとりが新しい生き方を切り開くことから生まれるので、私たちの誰もが社会的開拓者であれ、というメッセージを強く打ち出していますよね。

私が本書を読んだのは、10年務めた「ほぼ日」CFOを退任し、1年余りのジョブレス期間を経て、ベンチャー企業のエールに参加したあとでしたが、私の新たなチャレンジを肯定してくれているような気がして、勝手に励まされました。

「ほぼ日」を辞めたのは、ちょうど私が50歳のときです。定年が55歳だった親の世代からすると、働く期間はあと5年くらい。その見方からすれば、辞めずに走り切るべきだ、ということになるでしょう。

でも今、平均余命どおりに生きるのなら、私にはあと35~40年の人生がある。このうち最低でも20年は働くとするなら、今までのキャリアの蓄積だけで乗り切ることは難しいし、ベンチャー企業のような組織に入って一緒に頑張れるタイミングの限界は今かなとも判断して、新しい道に挑戦することにしました。

もちろん、最初は今までの経験を活かして企業の外部アドバイザーになるといったことも考えました。ですが、それはもうちょっと後でもできるかなと思い、私とは世代が違う若い方が経営しているベンチャー企業で働いてみたいと思いました。

「企業は、何年経っても創業時のDNAを持ち続けている」というのが私の持論です。

歴史がある会社は、今も創業時の時代背景を色濃く反映した強みがありますし、新しく生まれたインターネットサービスの会社も、興味深いことに、創業がPCの時代かスマホ時代かで、組織体制やサービス内容が大きく異なっているのです。

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