「自民苦戦?」テレビの出口調査が大外れだった訳 当日20時予想より自民は多く、立民は少なかった
一方で自民党支持層には、投票先を明かさない人がいる。
こうして「出口調査」を集計すると〝自民苦戦〟となってしまうのだ。
もちろんテレビ局も「そういう傾向」は承知している。
過去の選挙結果や、出口調査に協力してくれる有権者の「傾向」を踏まえて、出口調査による「一次データ」に修整を加えて「議席予想」を立てるのだ
「出口調査をまるまる予想に反映させると、自民党は200議席しか行かないけど、〝傾向〟があるのでもう少し議席は多いだろう。それに投票率、調査投票所の地域性なども加えて算出すると……?」
このように「議席予想」を行う。
もちろん議席の予想には各局報道局の「独自のノウハウ」があり、実際はデータ解析会社などとともに、詳細まで分析して数値を出している(はずである)。
今回の自民党の獲得議席は、テレビ各局の「傾向を踏まえた修整数値」をも上回る議席数であり、立憲民主党は下回った。
私は、選挙特番における「出口調査」と「議席予想」に意味がない、とは思わない。
だいたいの結果は知りたいが、「限界」なのではないか
視聴者も、日曜日20時の時点で「だいたいの結果」は知りたいものである。
しかし20年以上にわたって実施されてきた出口調査と、それに基づく議席予想は、もはや「限界」なのではないか。
テレビ・新聞の政治報道に対する信頼度は、年を追う毎に低下しているのが実情である。
今回の「議席予想 全局全敗」は、政治報道への信頼度という点で、大きなマイナスポイントになるだろう。
来年7月までに行われる「参議院選挙」までに、各局は議席予想の体制を再整備できるだろうか。あるいは「出口調査のあり方」を再構築するのだろうか。
そして議席予想に必要なことは「メディアとフレンドリーな声」を過大評価せず、一方で「静かな有権者」を過小評価しないことだろう。
このことは選挙特番のみならず、日常の「政治報道」にも求められているのだ。
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