野間省伸・講談社副社長(日本電子書籍出版社協会代表理事)--紙の本と電子の本を売る力が必要、権利だけの主張は論外だ


 グーグル、アップル、アマゾン、いずれにしても、われわれがお付き合いするかは条件次第。まったく条件が合わないところと付き合うつもりはない。実際、フランスの大手出版社の中には、アップルとは付き合うがアマゾンとは付き合わないというところもある。

われわれは米国の出版社とは違い、すべての権利を買い取っているわけではなく、著者から権利を委託されて電子書籍を展開するというスタンス。だから著者から、「安売りされるからあそこには出さないでくれ」と言われたら、付き合えない。

希望としては価格競争ではなく、サービスの競争などで利便性が高まってくれれば、いちばんありがたい。

■2期赤字から黒字浮上 海外開拓にも意欲的

──講談社の電子書籍関連の売上高は。

直近で15億円弱程度。今は携帯電話向け配信がほとんどで、今後どのぐらい伸びるかは端末の普及次第という面もある。

アイパッドは多機能端末だが、アマゾンの「キンドル」やソニーの「リーダー」といった読書専用端末が日本でも普及すれば、電子書籍市場は格段に広がる可能性がある。今全社売り上げの5%がデジタルを含む紙以外だが、ここを短期的に10%まで高めていきたい。

──前期業積は売上高1245億円、純損失57億円と、14年連続減収で、2期連続の最終赤字でした。

今期は大幅な改善が進んでいる。上期から黒字浮上できる見通しだ。

広告は依然として厳しいが、書籍、雑誌、コミックすべてにおいて、前年比で売り上げが伸びている。中でも『週刊現代』の売れ行きが劇的に改善している点と、付録効果で幼児誌が好調だった点が大きい。


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