野間省伸・講談社副社長(日本電子書籍出版社協会代表理事)--紙の本と電子の本を売る力が必要、権利だけの主張は論外だ


 ただ本当にここで底打ちなのかは予断を許さない。だから電子や海外、新規事業の展開を急いでいる。

──新規事業では会員向けビジネスに取り組んでいますね。

女性向けの美容関連の事業を立ち上げた。雑誌でありウェブであり、リアルのイベントもある会員向けサービスを講談社がプロデュースする。従来の出版社の枠を飛び越えたビジネスモデルもありうる。

──海外展開は。

中国では5年前に会社を立ち上げ、版権を販売している。2年前から黒字経営だ。書籍の年間版権販売件数は150~160点。講談社の年間刊行点数の1割を中国で販売している。

米国では昨年、コミックの出版を行う会社を設立した。これまでの版権販売から、自ら直接出版するというビジネスモデルに切り替えた。

社内では数年前から強調しているが、日本国内1億2000万人だけではなく、世界の60億人を相手にするような視点を持たなくては、先細りになりかねない。


のま・よしのぶ
1969年生まれ。91年、慶応義塾大学法学部政治学科卒業後、三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。99年講談社取締役就任。常務取締役を経て、2004年から代表取締役副社長。

(『週刊東洋経済』2010年7月3日号[6月28日発売] 特集「新しい支配者は誰か? メディア覇権戦争」より)

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • おとなたちには、わからない
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • コロナ後を生き抜く
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ついに上場廃止、大塚家具の末路
ついに上場廃止、大塚家具の末路
日本初、「工場を持たない」EVメーカー誕生の衝撃
日本初、「工場を持たない」EVメーカー誕生の衝撃
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
2050年の中国<br>世界の覇者か、落日の老大国か

米国と並ぶ超大国を目指す中国。しかし中国の少子高齢化はこれまでの想定を超える速さで進行しています。日本は激変する超大国とどう付き合うべきか。エマニュエル・トッド、ジャック・アタリ、大前研一ら世界の賢人10人が中国の将来を大胆予測。

東洋経済education×ICT