野間省伸・講談社副社長(日本電子書籍出版社協会代表理事)--紙の本と電子の本を売る力が必要、権利だけの主張は論外だ

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 そもそも世界中を見渡しても、日本の書籍は圧倒的に安い。再販制度のない電子の世界で、さらなる価格競争が起きても、著者から読者までのバリューチェーンの中で、誰も得をしないのではないか。

電子であっても1冊の本を作るのに、編集コストやマーケティングコストはかかる。それぞれのレイヤーで正当なマージンを乗せるのは当然のことだ。

■電子書籍を積極投入 年内2万点を目指す

──著者と出版社の関係は大きく変わるのでしょうか。紙と電子は別の契約を結ぶことになりますか。

音楽事業者等に与えられている著作隣接権が出版社にも適用されれば、海外も含めた電子化への展開も進めやすくなる。また防御的な意味でも、著作隣接権を持つことで著者に代わって海賊版やさまざまな不法行為に対して、われわれが声を上げることができる。

ただあくまで契約としては紙と電子は別だろうと考えており、講談社でもそうした扱いとなっている。印税の考え方も異なってくるからだ。

米国のように出版社がアドバンスですべての権利を包括的に購入する方法もありうるが、必ずしもそれが優れているとは思わない。権利を与えられても、それを十全に生かす能力が出版社になければ、著者にとって不幸な結果となる。

──米国では「ミドルマン」と呼ばれるエージェントが仲介したり、アマゾンが著者とじかに結び付くなど、出版社「中抜き」の事態も生じています。

講談社としては、電子化等でもきちんと付加価値を提供できる。これまで培ってきた編集・校閲機能、宣伝・マーケティング力、さらに映像化・海外展開などの2次利用体制を整えれば、「ミドルマン」やアマゾンとも十分に競っていけると考える。


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