激論!日本の大手メディアはクラウド時代に耐えられない 池田信夫×岸博幸

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 それはそのとおり。総務省や経産省はどうしても国内の企業を守ろうとする。だから総合電機メーカーの数がいつまでも減らない。1990年代のうちに潰れていてもいい会社が今でも残っている。

池田 NTTドコモでiモードを立ち上げた夏野剛さんと話をする機会があったが、日本の携帯電話はガラパゴスと言われるけど、今の業者が自分たちで変わろうとしても話がややこしくなるだけ。ガラパゴスでなくなるいちばんいい方法は、海外の競争力のある業者を入れて国内も海外と同じ状況にすることだ、と。

日本の業者が高い携帯を作っていればノキアにやられるから、価格競争力のある端末を作るしかない。そうすれ
ば、その端末は中国に行っても競争できる。今は閉め出しているからどんどん弱くなる。

 その話はちょっと前提が間違っている。池田さんはガラパゴス諸島に行ったことありますか?

池田 いや、ありません。

 私は行ったことがありますが、あそこは特異な環境下で進化を遂げた「変態」がいる島。だから世界中の人が大事にしようと考える。それに対して日本は保護された環境で中途半端なモノを作っているだけだ。

グローバル化時代に、日本企業が生き残る方法は二つしかない。一つは徹底的なローコスト大量生産、ユニクロのようなタイプだ。もう一つは徹底的な差別化で変態になる。言うなればガラパゴス化だ。そこまで徹底していないから売れない。国内にさまざまなプレーヤーが来て競争することが必要。ただ国内メーカーだけでも競争はできる。

池田 しかしそうすると、日本のITの競争力をつけなければと総務省がいろいろやる。日の丸標準、日本発の国際標準とか、やればやるほどおかしくなる。むしろ何もやってはいけない。デジタル放送の権利保護のため導入されたダビング10はその典型。あんな使い物にならないモノを作っても売れるはずがないのに。

 

 

 

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