激論!日本の大手メディアはクラウド時代に耐えられない 池田信夫×岸博幸

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 新聞社も出版社も、有料サイトや電子書籍だけで稼ぐのは難しい。要するに新しいビジネスモデルを考えないといけない。

 実際、無料モデルでも課金制でも、メディアやコンテンツ側にとってネットはまだ儲からない。だからこそ、たとえば米国の音楽業界はネットに代替されないところで稼ごうとしている。ボン・ジョヴィのコンサートでは、最前列で特典付きのチケットが定価で1枚1800ドル。ネット上の無料に慣れたユーザーもイベントにはカネを払う。

そもそもネット上の無料はプラットフォーム企業が作り出している。彼らが情報と広告を吸い取り、その結果、無料があるわけで……。

池田 グーグルに情報もカネも吸い取られているのはわかる。でも、それが大変だと言ってもどうしようもない。日本の業者がグーグルと競争できるだけのビジネスをやらないかぎりは、それを法律で止めようと言っても仕方ない。

 アゴラブックスでも米国のクラウドを使っているのでは?

池田 グーグルアップスで、これは1アカウント年間6000円でサーバーが使い放題。企業などが自社のIT部門で同じものを作ろうとしたら何百万円もかかって、しかもそれのお守りをする社員も付いてくる。それでいてずっと性能が低い。グーグルアップスは高性能なのにたったの6000円。とても日本のITゼネコンには太刀打ちできない。

 にもかかわらず、ITゼネコンは日本国内でちゃんとお客さんがいる。役所とか大企業とか。

競争力がないのに国内で商売になる

池田 つまり国内でまともな競争が行われていない。世界市場では競争力がないのに、国内で商売ができてしまう。これが問題なわけでしょう? だったら、こうしたサービスのできる海外の業者が日本に入ってきて、日本国内で激しい競争をさせるしかない。その結果、国内の非効率な業者が淘汰されたほうが、長い目で見るとずっといいと思う。

 

 

 

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