1000円超の「高級海苔弁」驚きに満ちた味の秘密 系列「スープストックトーキョー」との共通点

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最近新たに売り出したのがレトルトカレー。カレースープは同社にとっては、スープの売り上げが下がりがちな夏場の救世主的存在でもあるが、その人気は高く、カレー専門店YELLOWを立ち上げたほど。

「レトルト食品は殺菌のため高温に加熱する必要があり、天然素材でだしをひいた繊細な味わいを大事にするスープには向かない。ただ、スパイスを混合して味わいを出しているカレーならレトルトでも、店舗で提供しているのと同等の味を楽しんでいただくことができます。外出できない時期にご自宅でも人気のカレーを味わってほしいと、コロナ禍が始まった去年の春に急遽開発し発売しました」(松尾氏)

すぐに売り切れた「猫のためのスープ」

またこの夏、新たな領域への挑戦として発売したのが「猫のためのスープ」だ。6個入り3000円(送料込み)と猫の食べ物としては高く感じられるが、発売時の生産分はすぐに売り切れたとのこと。

「Soup for all、“誰にでもおいしいスープを”、というのが当社で大切にしている思いです。allには大切な家族であるペットもその中に入るのではないかと、長年猫と暮らすスタッフがアイデアを出してくれました。見渡してみると彼以外にもシェフなど、当社社員にはけっこう猫と暮らしている人が多かったんですね。そんなメンバーが集まって開発したスープです。発売後はインスタグラムに飼い猫がスープを食べている様子をお客様がたくさんアップしてくださるなど、大変好意的な反響をいただけました」(松尾氏)

猫のためのスープの成功を受け、犬向けのスープも検討中だという。

スープストックトーキョー社長の松尾真継氏(写真左)と海苔弁山登り社長の我妻義一氏(撮影:梅谷秀司)

そのほか近々に発売を予定しているのが、本格的なフリーズドライスープ。また店舗で提供されるスープについてはハラールやベジタリアン向けを含め、メニューを20~30種類に増やしたいと考えている。さらにスープの「消化によい」という特徴を生かし、病院関係へのビジネス展開も予定しているそうだ。

スープは世界各国において食べられている基本の料理であり、調理のバリエーションが広い。栄養素が凝縮され消化もよいため、子どもや高齢者、病人などにも向く。汎用性が高くさまざまなビジネスが考えられる素材と言えるだろう。

太い幹からいくつもの枝葉が生い茂っていくように、スープストックトーキョーを軸とした同社の多彩な展開は今後もヒットを生みだしていきそうだ。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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