「新型MacBook Pro」は何がそれほどスゴイのか 16インチ最上位モデル「70万5800円」は格安?

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本体のデザインも刷新され、HDMI端子、SDXCカードスロットが搭載された(写真:アップル基調講演ビデオより筆者作成)

2016年のデザインでは、上位モデルの13インチも16インチも、左右に2つずつのThunderbolt 3ポートがあり、充電や拡張機器の接続はこのいずれかで行わなければならなかった。

そのため、ネットワークやディスプレー接続に変換コネクタが必要で、本体のデザインは極めてシンプルながら、ユーザー体験はシンプルさを欠いていた。

今回は左側に電源専用の磁石で吸い付く電源ポートMagSafe、右側には映像出力で標準的なHDMI、さらにデジタルカメラなどから画像を取り込む際に多用するSDXCカードスロットが用意され、変換コネクターやUSBハブなしでも拡張性が確保された。

誰もが振り向く性能

Macはインテルチップに移行して以来、その性能向上のペースをインテルに委ねてきた。しかし2015年頃、ちょうどiPhoneの大きな成功が顕著になるにつれ、ユーザーからはMac軽視の声が高まるようになり、ユーザーの求める性能を満たせないジレンマが続いてきた。

同時に、クリエーティブプロに人気のあるアドビ製品が、サブスクリプションモデルへ転換し、それまでMacを使ってきた人も自由にWindowsに乗り換えてアプリを使える環境が整ったことから、ビデオやグラフィックスで処理性能を求めるユーザーはWindowsに移行する人が増えてきた。

今回のMacBook Proは、そうした人たちをどのようにしてMacに引き戻すか、というミッションがあると考えており、そのためには妥当な価格と使い勝手の良いデザイン、そして何より、圧倒的な処理性能を実現しなければならない存在だった。

実機でのベンチマークや実際のパフォーマンスは次週以降お届けするが、既存のApple SiliconであるM1の性能を考えると、クリエーティブプロを振り向かせるには十分な訴求力があると評価できる。

同時に、14インチの最も価格が安いベースモデルについては、学生やビジネスパーソンにもおすすめできる。特にディスプレー品質は、高いコントラスト比と発色の良さがある。また1080pに強化されたFaceTime HDカメラは、M1 Pro/Maxの画像処理エンジンによって、非常に美しい映像でリモート会議やオンライン授業に参加でき、しかもバッテリーもビデオ再生で17時間、ワイヤレスインターネット利用で10時間と非常に長持ちだ。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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