「めんつゆばかり使うレシピ」に潜む3大深刻問題 「3つのカラクリ」知って使っていますか?

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いまや人気料理家も堂々と「めんつゆ」を使ったレシピを発表する時代です。料理教室も「めんつゆ」「だしの素」を使わないと、生徒が集まらないという話も聞きます。

しかしプロの料理家が「めんつゆ」「だしの素」を使ったレシピを教えていることに、私は拭い難い違和感を覚えます。

「いくら便利で簡単だからといって、料理を教える立場にいるプロの人が、添加物や化学物質を、知らないうちに大量に摂取するようなレシピばかり勧めていいのか」

「化学物質の『オイシイの味』ばかりに慣れて、『素材の味』や『繊細な味』という本来の『おいしいの味』がわからなくなる、味覚を麻痺させかねないものばかり推奨していていいのか」

それを「知ったうえで便利だから、安いから」使う消費者のみなさんには「使う自由」がもちろんあるわけですが、少なくとも「食のプロ」を自任するような料理研究家のみなさん一人ひとりに、「それで本当にいいんですか?」と問いかけたい思いでいっぱいです。

「素材本来のおいしさ」、調理の技で引き出された「ホンモノの味」を、読者の人が知る機会を奪って、本当にいいのでしょうか、と。

「手作りめんつゆ」は驚くほど簡単にできる

「そうはいっても、めんつゆは便利だから、使いたい」という人も大勢いらっしゃると思います。もちろん、「3つのカラクリ」を知ったうえで、それでも使いたい、ということなら、私はそれ自体は否定しません。

ただ、もうひとつ、私が声を大にして言いたいのは、「別に市販のめんつゆをわざわざ買わなくても、じつは『めんつゆ』は自宅で簡単に作れますよ、しかも無添加で」ということです。

私が考案した「5つの魔法の調味料」のうち、「かえし」「みりん酒」に、「和だし」を加えれば、あっという間においしい「手作りの簡単濃縮めんつゆ」が完成します。たった15分で作ることができ、冷蔵で1カ月ほどは保存可能です。

安部氏が開発した「魔法の調味料」の「かえし」と「みりん酒」さえ用意すれば、簡単に作れる「簡単濃縮めんつゆ」(撮影:佳川奈央)

この「自宅で作れる!簡単濃縮めんつゆ」さえあれば、「市販のめんつゆ」と同じように、ざまざまな料理、具体的には「つけつゆ」「かけつゆ」はもちろん、「どんぶり物」「煮物」「煮魚」「鍋物」「おでん」と、それこそ万能に使えます

手前味噌ではありますが、そういう「本物の手抜き」の工夫を考えるのが、「食のプロ」を自任する人の責務だと私は思うのです。

みなさんもぜひ一度作ってみてください。一度作れば、何ら面倒でないことがおわかりだと思います。なによりも「おいしさ」は格別です。

食欲の秋です。「なんでもかんでも市販のめんつゆレシピ」から卒業して、「手作りのめんつゆ」で、おいしくて安全で豊かな和食ライフをみなさんに送っていただきたいと切に願っています。

安部氏が開発した「自宅で作れる!簡単濃縮めんつゆ」さえあれば、水と合わせるだけで簡単に「そうめんつゆ」も作れる (撮影:佳川奈央)
安部 司 『食品の裏側』著者、一般社団法人 加工食品診断士協会 代表理事

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あべ つかさ / Tsukasa Abe

1951年、福岡県の農家に生まれる。山口大学文理学部化学科を卒業後、総合商社食品課に勤務する。退職後は、海外での食品の開発輸入や、無添加食品等の開発、伝統食品の復活に取り組んでいる。NPO熊本県有機農業研究会JAS判定員、経済産業省水質第一種公害防止管理者を務めつつ、食品製造関係工業所有権(特許)4件を取得。開発した商品は300品目以上。

2005年に上梓した『食品の裏側 みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社)は、食品添加物の現状や食生活の危機を訴え、70万部を突破するベストセラーに。その他の著書に『食品の裏側2 実態編 やっぱり大好き食品添加物』(東洋経済新報社)などがある。

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