「めんつゆ」を使えば、たしかに、それだけでピタリと味が決まります。「しょうゆを入れすぎた」「甘すぎた」ということもありません。
しかしその「おいしさ」はどこから来ているのでしょうか。
「めんつゆ」に使われている「うま味調味料」や「〇〇エキス」は「人工的に作られたうま味」であって、「昆布」や「かつおぶし」などの「天然のうま味」とは違います。「人工のうま味」は食べたとたんに「あっ、おいしい」と思う、濃厚で強い味です。
私は、「人工のうま味」を「オイシイ」とカタカナで記し、「昆布」や「かつおぶし」などの「天然のうま味」である「おいしい」と区別しています。
こういう「オイシイ」ものばかり食べて、その味を舌が覚えてしまうと、「素材の味」「天然の味」「淡泊で繊細な味」がおいしいと思えなくなってしまいます。
もちろん、これも「知って」食べるのは自由ともいえますが、とくに味覚がこれから育っていく子どもには、そういう「オイシイ」ものばかり食べさせて、舌を麻痺させてほしくないと私は強く思っています。
めんつゆの「しょうゆ」その正体は?
「節約の達人」の節約法に「激安のめんつゆを使えば、しょうゆやみりんを使うより安上がり」というものがありました。その人は業務用の1.8リットルのめんつゆを常備しているそうです。
しかし「激安めんつゆ」はなぜ安くできるのか、考えたことがありますか?
ひとつは、原料の「しょうゆ」の違いになります。
「『和食が好きな健康志向』の人も知らない深刻盲点」でも述べたことですが、「昔ながらのしょうゆ」は、「大豆、小麦、塩」を原料として、これに「麹」を入れて、1年以上じっくり手間と時間をかけてつくります。この過程で「しょうゆ本来のうま味」が醸し出されていきます。
しかし、「添加物を駆使したしょうゆ」は往々にして、「調味料(アミノ酸等)」や、塩酸分解で作る「アミノ酸液」などを使い、手間も時間も短縮して作られています。だから短時間で生産でき、大量生産も可能です。そのために「昔ながらの長期熟成の本物のしょうゆ」に比べて、安い価格で売ることができるのです。
「激安のめんつゆ」は、この「添加物を駆使したしょうゆ」がベースになっていることが多分にあります。
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