「めんつゆばかり使うレシピ」に潜む3大深刻問題 「3つのカラクリ」知って使っていますか?

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「安部ごはん」では、市販の「めんつゆ」を使ったレシピは載せていません。そのほか、「だしの素」「顆粒の洋風だし」も使っていません

「便利な食品」には「マジック」が隠されている

これらの調味料は、確かに便利です。パッパッと振り入れれば、それなりの味が決まって手間なしです。

とくに「めんつゆ」は、「麺のつゆ」の範疇を大きく超えて、煮物、炒め物、どんぶり物、お好み焼き、和風パスタと万能調味料のように使われています。

しかし、「いくら時短で手軽」だからといって、何でもかんでも「めんつゆ」を多用するレシピが溢れるこの風潮に、私は異を唱えたいのです。

というのも、長年、加工食品を開発してきた「食品のプロ」の立場から見ると、「めんつゆ」の「便利さ」の裏側には、「3つのカラクリ」が潜んでいるからです。「便利さ」にだけフォーカスするのではなく、その「裏側」と、そこに潜む「深刻な問題」も知ったうえで使ってほしいのです。

【カラクリ→問題1】「簡単・便利」→化学物質も同時に体内に摂取

たとえば煮物なら、「だしを取って、しょうゆ、みりん、酒、砂糖などの調味料を適宜加えて……」という作業が必要です。ところが「めんつゆ」なら、あれこれ使わなくても、「これ1本」で済みます。

「うちは健康志向で和食を自宅でよく作っています」という人はよくいますが、そうした人のなかには、よく話を聞くと「味を調えるのは、すべてめんつゆで決まりで、しょうゆはほとんど減りません」という人もいました。

もちろん無添加の「めんつゆ」も一部には売られていますが、「安くて便利」という理由で使う「めんつゆ」の中には、「調味料(アミノ酸等)」「酸味料」「甘味料」「たんぱく加水分解物」、その他各種の「〇〇エキス」などが添加されているものが少なくありません。

「めんつゆ」1本を使うことで、これらの添加物や化学物質も一緒に体内に取り込んでしまうのです。もちろん「添加物や化学物質なんて全然、気にならない」という人もいるでしょうが、「健康志向で、和食を自宅でよく作っている」という人も、その「盲点」に気づいているのでしょうか。

ちなみに(昔ながらの作り方の)しょうゆやみりん、酒、砂糖を使えば、添加物などの化学物質を摂取することはありません

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