豚汁だけで50種類!大人気「スープ作家」の凄み 有賀薫氏が切り開くスープという無限の可能性

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そんな有賀氏が昨年末から、作り方を紹介するだけにとどまらない革新的なレシピ本を続けて刊行している。まず、昨年12月に出したのが、『なんにも考えたくない日はスープかけごはんで、いいんじゃない?』。

紹介されているレシピは「ニラまみレ!鶏ひき肉のスープ駆けごはん」「たたきオクラと梅の湯漬け」「ジャガイモと豚ばらのピリ辛スープかけごはん」といったもの。猫まんまとも言えるが、ご飯に合うようピリ辛にする、味噌を使うなど、味が強い調味料で食べやすく工夫されている。

スープにご飯をかけて1品で成立する食事があれば、疲れている人でも手軽に料理ができる。忙しいから時短にしよう、とパスタやうどんなど麺類を作る人は多いが、「いつも家で作る人なら、残りご飯が家にあったりする。

それならご飯にスープをかけるほうが、麺類をゆでてソースや具材と和えるより簡単ではないでしょうか。リモートワークのときにも、スープかけご飯ならすぐに準備して食べられます」と有賀氏は言う。

豚汁で「新しい食べ方」を提案

続いて今年4月に刊行したのは『有賀薫の豚汁レボリューション』。すでに4刷している。豚汁と言えば、下ごしらえに手間がかかる根菜類が何種類も入ったものが定番。しかし、同書に紹介されているレシピのほとんどが、材料は豚肉と野菜1つか2つのみ。豚肉と食材1種類の「なすのごま豚汁」「トマトン汁」「かぶの蒸し豚汁」、2種類の「たまねぎコーンの豚汁」「もやしときくらげの豚汁」「アスパラとじゃがいものミルク豚汁」といった時短レシピである。

(撮影:今井 康一)

新しい食べ方を提案し始めた理由を有賀氏は、「私が最初の本を出した2016年頃は、スープを日常的に取り入れるという感覚が皆さんにあまりなかった。だからまず、作りやすいレシピを提案してきました。でもここ2~3年で、スープが便利な家庭料理だと伝わってきたと思うので、私しかできないものを提案したい、と考えたんです」と話す。

スープかけご飯は、便利だから活用していると喜ぶ人がいる一方で、「白ご飯を汚してはいけない」と育てられた人など、ご飯に汁をかけるのは抵抗があるという人もいて、評価は分かれた。それは提案が新しすぎたからだろう。

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