(第35回)【変わる人事編】企業人事、就職情報会社の営業、制作会社の編集はゆとり世代

●学生ではなく社内チェックを優先する事なかれ主義

 もうひとつの理由は、事なかれ主義である。採用ホームページは企業のホームページと読者も目的も異なるので、内容もコトバも変えるべきだと思うが、実際には企業ホームページの用語をコピーすることが多い。
 その理由は簡単だ。社内の了承が得やすいからだ。日本の企業は横並びの企業戦略を作文するから、コンプライアンスやCSRなどの用語をどこでも使う。「わが社は社会的責任を果たす」とどこの会社も主張する。

 就活前の学生がこんなコトバを知っているはずはないし、「法に従って行動する」と言われても、小学生でも法律を守らなくてはならないことを知っている。学生は大企業がこんな常識をわざわざ明記していることにビックリすると思う。社会人向け、投資家向けのホームページには必要かもしれないが、学生が本音の情報を知りたがっている採用ホームページでは無用と思うが、入れておかないと広報のチェックに引っかかるのだ。

 就職情報会社も似たようなものだ。就職情報会社の花形職種は営業であり、採用コンサルタントと称する会社もある。「コンサルタント」という名前は優秀そうだが、今どきの単なる若者だ。

 彼らは採用シーズンの開始を前に、企業の人事担当者に採用PR企画書を提出する。月ごとのメディア展開、制作スケジュール、セミナーの展開、採用学部・重点校などの採用戦略が企画書には書かれている。ただその企画は考え抜かれたものではなく、ありふれたものだ。
 人事の就職情報会社への不満は「もっと新規性のある企画を持ってきて欲しい」だが、実態は「年々営業の質が悪くなっているように思う」。その感想は当たっているのではないかと思う。というのは、就職情報会社の営業はよく辞めるからだ。とくにリーマンショック後の昨年、今年は大量の希望退職や自主退職があった。良い採用企画を立案するためには豊富な経験が必要だが、数の少ないベテランは管理職になっており、営業現場にはいない。企業を訪問する営業は、経験がせいぜい数年の若手が多い。

 若手営業は勉強不足だ。その会社の就活サイトには「日経新聞を読め」と書いてあっても、採用コンサルタントたちは必ずしも読んでいない。日本の採用を支えているのはこのようなゆとり世代の若者たちなのだ。

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