栄養士指南!結局、「健康的にやせる」コツは2つだ 理論上正しくても心身が疲れる方法はよくない

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「〇キロ減!」といった目標を設定すると、その目標に達成するまでは自分を肯定的に評価できず、それがストレスになって、暴飲暴食につながってしまう場合も多々あります。

むしろ食欲に勝とうと思わずに、食欲と仲良く共生する習慣がとても大切です。私自身かつてはダイエットに苦しみましたし、やせないことにストレスを感じている人はたくさんいます。だからこそ、「ストレスになるほどダイエットを頑張らなくていい」と、多くの方にお伝えしたいと思っています。

もちろん、適度な糖質制限などによって、増えすぎた体重が落ちること自体は素晴らしいことです。ただ、体を動かすことがしんどくなったり、些細なことでイライラしたり、仕事に集中できなかったりするならば、はたしてそこまでしてやせることがいいことなのか疑問に感じます。

ダイエットに時間とエネルギーを費やすことで、いざというときにエネルギーが出ない「動けない体」になれば、むしろ人生をよくするチャンスを逃してしまうでしょう。多くのビジネスパーソンのダイエット相談をしていて感じるのは、自分の体を「点」でとらえる危うさです。

やせたい→食事制限→栄養不足→疲れが抜けない→ストレスでリバウンド→やせたい

このように、自分の体や生活全体を俯瞰せずに、「点」としての情報や知識でとらえていると、うまくいかないどころかますます体調を崩してしまいます。そんな負のループから抜け出すためには、ダイエットで最も必要なのは「時間の使い方」だと心得ましょう。

ダイエットに失敗するのは「時間の使い方」が原因

「ダイエット指導」と聞くと、食事の内容や食べ方を指導されると思う人がほとんどでしょう。でも、実際はタイムマネジメントからスタートすることばかりです。

なぜなら、体重が増えた理由が「残業が多くて夜ごはんが寝る直前になる」「平日は忙しくて買い物に行く時間がないから適当に済ませてしまう」「昼休みはなかなか抜けられないからカップラーメンになる」という理由だったりするのに、「栄養バランスよく」という話からはじめても、「それができたら苦労しない!」となってしまうからです。

これまでできなかったことを「できる」ようにするためには、生活全般の調整が欠かせないのです。

あまたある情報を前にして、「するかしないか」「いいか悪いか」「自分にできるかどうか」を考えるのではなく、ダイエットの真理である「食べすぎない」「夜遅くに食べない」ために、自分の時間の使い方(行動)を見直していくのが、最もいいアプローチになります。

また、ダイエットに失敗するのは、職場の雰囲気や、「○○すべき」という見えないルールに縛られて、「自分に合った時間の使い方」ができていないことも原因だと私は見ています。

他人軸に合わせて時間を使っていると、自分にとってベストなリズムがわからなくなってしまいます。そのために食事時間がずれ込んでいき、睡眠時間も不足して、体がどんどん疲れていくわけです。しかもそうなると、「ひとりでゆっくりと考える時間」もなかなかつくれないので、つい間違った情報(自分に合わない情報)に飛びついてしまい、疲れた体にさらに追い打ちをかけるダイエットをしてしまう悪循環に陥ります。

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