小4で不登校になった僕が耐えられなかったこと 当時はうまく言葉にできなかった
以前は自分の将来のことがすごく不安でした。でも調べてみれば高校は偏差値が低くても入れるところがあるみたいだし、仕事だってできることがないなんて考えないで、これから見つけていけばいいんだと思います。親やまわりの大人には、僕がしたいことを聞いてもらって、それがどんな仕事につながるのか、社会でどう活かせるのかを教えてくれると、ありがたいなと思います。
僕だけが周囲となぜちがうのか
僕にとって不登校は自分の気持ちや性格が変わるまでの時間だったんじゃないかなと思います。不登校になる前は、自分の意見を出しても通らないという経験をたくさんしたので、自分は何も変えられないちっぽけな人間だと思っていました。不登校になってからもしばらくはそういった思いが抜けなくて、さらに「どうして自分だけまわりとちがうことを考えてしまうのか」と、自分を責める気持ちでいっぱいでした。
でも時間が経つにつれて、フリースクールでも家でも、「思っていることを言ってもいいんだ」ということを感じられるようになり、安心して自分を出せるようになりました。フリースクールでは、人前で自分の意見を発表する機会がたくさんあったことや、話したことに共感してくれる人に出会えたことが、自分を変えるきっかけになったと思います。
家では、将来のことを先まわりして考えていた親が、僕の気持ちを尊重してくれるようになったことが、自分が変わる大きなきっかけでした。今では素直にやりたいと思うこと、どう生きていきたいと考えているかをおもてに出せるようになりました。
不登校してすべてがよかった、とまでは言えないけど、不登校によって経験したいくつかの出来事から今の自分ができていると考えると、「不登校って意外とよいものなんじゃないかな」と思います。
――ありがとうございました。
※フリースクールなどの民間施設に通う場合に利用できる定期券として、「実習用通学定期乗車券」があります。「子どもが在籍する学校の校長が、その施設に通う日数を指導要録上の出席扱いと認めた場合」に適用されます。
(聞き手:茂手木涼岳 編集:本間友美)
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