「いつも人生楽しそうな人」、最強スキルは3秘訣 「ライフ・シフト2」が断言「今が幸せ掴む絶好期」

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このような新しい学びの姿勢は、生涯にわたり学習と探索を行うためのカギを握る可能性がある。アンドリューも指摘しているように、この胸躍る時代に新しい生き方を形づくりたければ、自分の未来に投資しなくてはならない。

感染拡大で気づかされた人間関係の大切さ

今回のパンデミックのなかで、多くの人がそうした投資を行い、デジタルスキルの習得に取り組んだり、オンライン学習を行ったりした。このような学習の習慣を探索の人生の土台にしてほしいと思う。

感染拡大が始まってすぐに私たちが気づかされたのは、それまで考えていた以上に、人との結びつきが人生で重要な意味をもっているということだった。

私の研究によると、パンデミックを経験して私たちが誰とどのように関わるかが変わりはじめている。自宅で働く人が増えて、対面による会話よりバーチャルのやり取りが中心になり、多くの人は人的ネットワークの規模が小さくなったのだ。

バーチャルな働き方がもっと一般的になれば、人々が家族や地域コミュニティーと関わる時間とゆとりがさらに拡大するかもしれない。長時間通勤が不要になったとき、私たちの人付き合いの対象は、職場の同僚から、家族や地域コミュニティーの仲間に変わる。

企業がさまざまな町に「オフィス・ハブ」を開設して、社員が本社オフィスではなく、近所のオフィス・ハブに出勤して働けるようになれば、こうした動きがいっそう後押しされるだろう。

人類の歴史は、驚異的な進歩の歴史だった。そうした進歩を力強く牽引してきたのが人間の発明の能力だ。新型コロナの感染拡大により、その能力の真価が問われる状況が生まれている。

いま私たちは、生き方と働き方に関して100年に一度と言ってもいいくらいの大変革を経験しつつある。これをきっかけにして、変化の激しい世界ですべての人が光り輝ける未来をつくり出そう。

リンダ・グラットン ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授

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Lynda Gratton

ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授。世界をリードする「働き方の未来」の専門家。全世界で最も権威ある経営思想家ランキングである「Thinkers50」では、トップ15にランクインしており、2018年には安倍晋三元首相から「人生100年時代構想会議」のメンバーに任命された。著作である『ワーク・シフト』『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』シリーズ(アンドリュー・スコットとの共著)は日本で大ベストセラーに。長寿社会におけるキャリア構築の考え方――「人生100年時代」というキーワードをつくり出した中心人物である。

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