高い山より危険!流行する「近場で登山」のリスク 秋の山で遭難しないための「7つの鉄則」

拡大
縮小
(5)遭難するとお金がかかることも知っておく

消防や警察の山岳救助隊は公的な機関のため救助の費用は発生しないが……。

「ただし、公的な救助隊だけでは捜索できないことがあります。そのときは各都道府県の山岳連盟などにある捜索対策協議会のメンバーが仕事を休んで捜索にあたります」

メンバーの日当、交通費、保険代など1人当たり1日5万~10万円ほどかかることもある。

「人数と日数をかけた金額を請求されます。高い山には公の救助隊があるんですが、低い山は地元の団体にお願いをするケースが多いので遭難して救助をお願いした場合はお金がかかります」

遭難は「人を選ばず、時を選ばず、山を選ばず」

(6)救助隊機能を低下させない
コロナ禍の外出自粛で体力が落ちたまま登山。疲労でケガをしたり、救助を求めるケースも(写真:週刊女性PRIME)

「低山ではないですが、槍ヶ岳で8人パーティーが遭難。1人が滑落し、亡くなった事故がありました」

実は滑落をした人が新型コロナに罹患、無症状だった。

「パーティー全員と救助隊、ヘリコプターの救助隊も濃厚接触者になりました。そうなるとその数人は何日間かの救助活動はできないので、ほかの隊員たちに負荷がかかるんです」

ワクチンを打ったから、と登山をする人も増えているというが、山中で副反応で動けなくなった人もいた。

「この時期、山に行くこと自体がリスクになるんです」

コロナではなくても、体調が悪い状態で山に登ることはそもそものNG行動だ。

(7)動物に遭遇する危険

クマやシカが登山道に現れることもある。

シカは大声を出せば逃げていきます。ですが、問題はクマです。絶対に近づかないようにしてください

心がけや事前の準備で遭難や事故のリスクは減らせる。

「私たちは“3ず”という言葉を使っています。遭難は“人を選ばず”“時を選ばず”“山を選ばず”。高い山だから危険で低い山なら安全というわけではない。そうした意識が根底にあるから事故が起こります。

山はとても魅力的ですごく楽しいんですが、危険も多いんです。気軽に訪れられる場所であってもリスクがあることを知っていただきたい」

※イラストはイメージです(イラスト:週刊女性PRIME)
次ページ登山持ち物チェックリスト
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT