高い山より危険!流行する「近場で登山」のリスク 秋の山で遭難しないための「7つの鉄則」
丹沢・大山など人気の登山スポットのある神奈川県。同県警によると、今年1月1日~8月31日の間、県警察が取り扱った山岳遭難は85件、95人。そのうち死亡者は2人(暫定値)。前年と比べると遭難は10件増加している。
「被害別で見たときに滑落、転落、道迷いは減少している一方で疲労、転倒が増えています。若くて、登山歴が豊富な方でも遭難する事例は少なくありません」(神奈川県警の担当者)
遭難しないために大切な“心構え”
都市近郊の低山はアクセスもよく、自然の中なら3密も回避できるのでは、と行楽を楽しむために訪れる人が増えているのだ。
「山の事故といえば崖から落ちたり、転ぶなどしたケガを思い浮かべるでしょうが、いちばん深刻なのは道迷いです。実は南アルプスや八ヶ岳より低い山のほうが道を間違えやすくて遭難しやすいんです」(前出・飯田さん、以下同)
特に注意を促しているのは1000メートル程度のハイキングや軽い登山で登れるような山だ。
「高い山の登山道には案内板がつき、道に迷わないような工夫が随所にあります。ですが、低い山は登山用でないことも多い。そのため整備がされていないこともあります」
低い山の場合、林業のための作業用の道が縦横に走っている場合があり、登山者はそこに迷い込むと遭難する。探そうと捜索隊が山に入ってもどこをどう探したらいいのかわからないというのだ。
「低い山は台風などで道がズタズタになっても予算がなかったり、登山道でない場合は人があまり通らないため整備が間に合わないんですね。
倒木があったり、地面がくずれたり、そこを人が歩くことで事故が起きる。去年来たから大丈夫、という考えも非常に危険です」
遭難しないためには心構えも必要だ。